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「磔柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

磔柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
き廻された上、さんと・もんたにの下の刑場で、無残にも磔《はりつけ》に懸けられた。磔柱《はりつけばしら》は周囲の竹矢来《たけやらい》の上に、一際《ひときわ》高く十....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
人の子」の肩を捕えて、ことさらに荒々しくこずきまわした。――「やがては、ゆるりと磔柱《はりき》にかって、休まるる体《からだ》じゃなど悪口《あっこう》し、あまつさ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ゃく》や菖蒲とともに天南星科の物だ、あちらで伝うるはキリスト刑せられた時この草|磔柱《たっちゅう》の真下に生えおり数滴の血を受けたから今はその葉に褐色の斑あると....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
び》の灯りです。同時にその灯りの中から、ありありと浮び上がって見えたのは、正しく磔柱《はりつけばしら》を背に負った珠数屋の大尽のお仕置姿でした。しかも、最期は今....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
やるからな。 (おきん母子、刑場の中へ歩み入る。舞台半回り、刑場の内部が見える。磔柱が矢来に立てかけられている。五人の囚人、甚兵衛を先に一列に引き据えられている....
白くれない」より 著者:夢野久作
類、物々しく詰め合ひて、毬棒、刺叉林の如く立並べり。その中央の浪打際に近く十本の磔柱を樹て、異人五人、和人五人を架け聯ねたり。異人は皆黒服、和人は皆|白無垢なり....
鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
衛」が、「甚兵衛様は笑って死になさった」と数万の群集に賞めたたえられつつ、領主の磔柱の上で生涯一度の愉快そうな笑いを笑う。この笑いを作者は、惨酷に甚兵衛を扱いつ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
を掻いて膚におぶった、そ、その心持というものは、紅蓮大紅蓮の土壇とも、八寒地獄の磔柱とも、譬えように口も利けぬ。ただ吹雪に怪飛んで、亡者のごとく、ふらふらと内へ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
む、世には賤しき業も多けれど、誰か十字架に懸らむとする。 向うづけに屋根裏高き磔柱に縛められて、乳の下|発きて衆の前に、槍をもて貫かるるを。これに甘んずる者あ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
けて、広い部屋の中も同断です。中にも目に着いたのは、一面の壁の隅に、朦朧と灰色の磔柱が露われて、アノ胸を突反らして、胴を橋に、両手を開いて釣下ったのは、よくある....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
って門の戸を明けた。朝靄蒼く立ちこめていて戸外は仄々と薄暗かったが、見れば一本の磔柱が気味の悪い十文字の形をして門の前に立っていた。 「あっ」と云うと小僧平吉は....
山吹」より 著者:泉鏡花
ぬお覚悟を見抜きまして、さらば、お叶え下されまし、とかねての念願を申出でまして、磔柱の罪人が引廻しの状をさせて頂き、路傍ながら隠場所の、この山崩れの窪溜へ参りま....
せいばい」より 著者:服部之総
日、城下若松桂林寺町早山かもんのすけという御用鋳師の家からもってくるのが恒例で、磔柱や獄門は、若松市中の下駄《げた》屋がまわりもちで作った。 はりつけ以上の極....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
男をおだてに来たのだよ。 群をなせる女等 あの藁のような男に上沓をお遣。磔柱がなんの威になるものか。 あいつの面をこわがれと云うのでしょうか。 竜は竜で....
大岡越前」より 著者:吉川英治
くそでもくらえ、おれが獄門なら、てめえも獄門へ抱いてゆく。おれが磔なら、てめえも磔柱までつれてゆく。――もともと、てめえと俺とは、切ッても切れねえはずの縁だ。そ....