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磨墨
「磨墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磨墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
よう》しているのだろう。女のつけた振袖に、紛《ふん》たる模様の尽きて、是非もなき
磨墨《するすみ》に流れ込むあたりに、おのが身の素性《すじょう》をほのめかしている....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ゃ。鮮かじゃ。自得の馬術と思わるるがなかなか見事であるぞ。馬も宇治川先陣の池月、
磨墨に勝るとも劣らぬ名馬じゃ」 「………」 「そこ、そこ、そこじゃ、流れの狭いが....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を井上黒、武州河越より平知盛《たいらのとももり》に進ぜしを河越黒、余りに黒い故|
磨墨《するすみ》、馬をも人をも吃《く》いければ生※《いけずき》など、多く毛色産地....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
り候へば、この中に乗黄もあるべく、昭夜白も存すべく、はた未来の生※《いけずき》、
磨墨《するすみ》も活躍致すべく候へば、自今、馬を描くに於ては、敢《あ》へて江都王....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
がていよく断られた。そしてそのかわりに生食には少し劣るが、やはり稀代の逸物である
磨墨という名馬を与えられた。源太はいつたんは失望したが、しかし生食が出てこぬかぎ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
門をせめろ」 そこで将門は引き出された。丈高く肥え太り、鬣荒く尾筒長く、生月、
磨墨、漢の赤兎目もこれまでであろうと思われるような、威風堂々たる逸物であったが、....
「言語は生きている」より 著者:中井正一
容をいかめしく正して、やや怒気をふくんだ、気張ったものである。 梶原景季が名馬
磨墨を貰って、「気色してこそ引せたれ」等肩をいからせて、鼻息あらく出てゆくところ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
たため、後に、鎌倉へ召されて重用された人物である。 だから一子|景季が、名馬|
磨墨を賜わって、宇治川へ臨んだのも、親の景時にたいする頼朝の信寵の現われであった....