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磴
「磴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
磴の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
の立木売却二千五百円を得、合祀費用三百五十円払いて、残り二千百五十円行方不明、石
磴《いしだん》、石燈籠、手水鉢等はことごとく誰かの分捕りとなる。かかる例多きゆえ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
ると、白く光るとはこの時初めて知った。藪から上は、松の多い山で、赤い幹の間から石
磴《せきとう》が五六段手にとるように見える。大方《おおかた》御寺だろう。 入口....
「狂乱」より 著者:近松秋江
ぎていたが、見物の群衆は、京から三里も離れた山の中でも雑沓していた。私は、高い石
磴を登って清洒な神護寺の境内に上って行き、そこの掛け茶屋に入って食事をしたりして....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の提灯……」 「ああ、提灯……」 唯今、午後二時半ごろ。 「私が持ちましょう、
磴に打撞りますわ。」 一肩上に立った、その肩も裳も、嫋な三十ばかりの女房が、白....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
思う。 さて続いて、健ちゃんに、上野あたりの雪景色をお頼み申そう。 清水の石
磴は、三階五階、白瀬の走る、声のない滝となって、落ちたぎり流るる道に、巌角ほどの....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
石段の上で横になっていよう。また容体がお変りになるまで、そうしていよう。 人々|
磴の上に蹲る。チチアネルロはジヤニイノの髪を弄ぶ。その目半ば閉ず。 バチスタ (....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の聯なったような薄あかりで、舞台に立った、二人の影法師も霞んで高い。…… 暗い
磴の幽な底に、音羽の滝の音を聞いた時は、 松風に音羽の滝の清水を むすぶ心や....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
った。 麻布の松は、くらがり坂の上にかくれて、まだ見えない。道の右手に、寺の石
磴がすっくと高い。心なしか、この
磴が金沢の松の上り口にそっくり似ている。(ここを....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
うな石段の坂が立っている。雁木坂《がんぎざか》と呼ぶ。これらの石級《せききゅう》
磴道《とうどう》はどうかすると私には長崎の町を想い起すよすがともなり得るので、日....
「ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
場におりようとする河土手になった林の中を注意して歩いていた。と、路の上に新しい石
磴があって、やはり新らしい檜の小さな鳥居が見えた。勘作はたしかにこれだと思ってそ....