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礎石
「礎石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
礎石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た。 規矩男の家は武蔵野の打ち続く平地に盛り上った一つの瘤のような高まりの上に
礎石を載せていた。天井の高い二階建ての洋館は、辺りの日本建築を見下すように見える....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の酷烈をきわめた熱意と力――成敗をこの一挙に決し、ファウスト博士の頭上に、地獄の
礎石円柱を震い動かさんばかりの刑罰――を下そうとする、それのごとくに思われるのだ....
「観画談」より 著者:幸田露伴
裡様の建物があった。それを目ざして進むと、丁度本堂仏殿のありそうな位置のところに
礎石が幾箇ともなく見えて、親切な雨が降る度に訪問するのであろう今もその訪問に接し....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
接触するところに、その美しい調和力と親和力が見られるのに対して、吉田の浅間社は、
礎石をすえた位置が、町から幾分か離れて、大裾野のひろがり始めるところに存するだけ....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
警告文の左記列項を順々に読んでいって、遂に最後の項に来た。 「ええと、第十二号。
礎石。『エディ・ホテル』ノ
礎石ナリとあるよ。こればかりは、所在がはっきりしている....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
曲って落ちこんだ橋梁の間から下を見て、まだそこにプカプカしている土左衛門や、橋の
礎石の空処に全身真赤に焼け爛れて死んでいる惨死者の死体を見るのであった。すると両....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
跡らしい灰もなし、焚さしの材木一本|横わっておらぬばかりか、大風で飛ばしたか、土
礎石一つ無い。すらりと飯櫃形の猿ヶ|馬場に、吹溜まった落葉を敷いて、閑々と静まり....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
や何をもってしても報ゆる道なく、まことに残念でなりません。こういう人たちの努力が
礎石となって今日の中村屋を築き上げたのだから、私どもは永久にこの人々を忘れてはな....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
てしまって、あとさきを考えてみる良心的な努力がお留守になる。建国のために置かれた
礎石は果してゆるぎのない道義的なものであったか、どうか。それは汚れた手で置かれた....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
いる。柱上には青銅のブリッジが渡されて、セイサアゲエトという文字が浮彫りにされ、
礎石には『千九百十五年』という文字が刻まれている。 此の門を入ってアスファルト....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
と信州の国境を示す石の標柱が、嶺から平野へわたる風のなかに立っていた。その標柱の
礎石の前の小さな石塊を背に分けて、東側に降った雨は遠く流れて太平洋へ、西側へ降っ....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
の外にも円戒坊、十善坊など云う名も伝わっている。また、御所ヶ谷において見るが如き
礎石の、列を正して今もなお四個ばかり残っているのもある。明らかに何かの建築物のあ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
、よしやそれが果して大化以前の尺度によって設計せられたものであるとしても、もとの
礎石の上にこれを再建すれば、当然もとの寸尺によるべきものであるとの揚足取りも、出....
「子供の時分の話」より 著者:小川未明
、おじいさんの消えてゆく姿を見送りました。 昔からある、城の門の四|角な大きい
礎石は、日の光を浴びて白く乾いていました。草は土手の上にしげっていました。そして....
「海のかなた」より 著者:小川未明
ましたけれど、晩方にはいつも、この城跡にやってきて、そこにあった、昔の門の大きな
礎石に、腰をかけました。そして、暮れてゆく海の景色をながめるのでありました。 「....