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「礬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

礬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
であった。いや、飛び越えようとしたばかりではない。彼は足を縮《ちぢ》めながら、明色《みょうばんいろ》の水の上へ踊り上ったと思う内に、難なくそこを飛び越えた。そ....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
究の手傅《てだす》けのため一人娘の私に絵画を習わせた。私は十六七の頃にはもう濃く水《どうさ》をひいた薄美濃紙を宛《あ》てがって絵巻物の断片を謄《す》き写しする....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
も、まじないに、屋根瓦《やねがわら》にへばりついている猫《ねこ》の糞《ふん》と明《みょうばん》を煎《せん》じてこっそり飲ませたところ効目《ききめ》があったので....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
焦がしたり、循環を助けるためにからだの中へ針金をさし込むこともあろう。塩、酢、明、時には硫酸を食事に与えることもあろう。お前たちは今にも気絶しそうな時に、煮え....
河明り」より 著者:岡本かの子
体である。叢林は大地を肉体として、そこから迸出する鮮血である。くれない極まって緑の輝きを閃かしている。物の表は永劫の真昼に白み亘り、物陰は常闇世界の烏羽玉いろ....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
に血を吸わせた方が効きますぜ」 「いや、蛭よりも鼠の黒焼きを耳かきに一杯と、焼明をまぜて、貼りつけた方が……」 そう言ったのは、膳所の十六である。 「やいや....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
色に焦れて居る山と山との間の深い谷底を清滝川が流れて居る。川下が堰きとめられて緑色の水が湛え、褐色の落葉が点々として浮いて居る。 「水を堰いて如何するのかな」....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。 「いや、それはわたしが曾て見たことがあります」 張は紙を貰って、それに白で何か細かい字を書いた。用意はすべて整って、日の暮れるのを待っていると、一方の....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
くらな絶望の闇のなかに、ほのかな光り物を見つけた。僕は眼を皿のように見張った。明をとかしたように、僕の頭脳は急にハッキリ滲んできた。そうだ、まだミチミを救いだ....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
めに、俺んとこの植木は精がよくなるのさ」 「まるで珠でも融かしたようですねえ。明水といっていいか黄金水といっていいか」 「まあ黄金水だなア」 「滝も立派ですね....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
れた、可愛らしい小さい裸体の人形が、行水でも使っているように見えたことだろう。明質のこの温泉は、清水以上に玲瓏としていて、入浴っている人の体を美しく見せた。胸....
話の種」より 著者:寺田寅彦
分解して崩れるので、これを防ぐ方法はないかと色々研究した人の説によれば、少量でも土を含んだセメントはこの分解が急に起りにくい。また火山灰を原料に用うればよほど....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
月の花盛りそっくりである。 原始林が風を遮るので湖水の面は漣も立たずちょうど胆でも溶かしたように蒼くどろりと透き通っている。岸に近い水面は木立を映して嵐に騒....
紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
と書いてあるか分かるか?」 と俊夫君は得意げに聞きます。 「分からない」 「明で書いてあるんだ」 「では水に入れると分かるね?」 「ああ」 俊夫君は棚から....
澪標」より 著者:外村繁
妻はどこが悪いのであろうか。 「明日、とにかく、癌研へ行って来ます」 白紙に明水《みょうばんすい》で書いた文字が炙り出されて来るように、昨夜、妻の言った言葉....