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礼を失する
「礼を失する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
礼を失するの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
。若し真に敵意を持って居るならば、こうした贈り物はしない筈である。君に対して頗る
礼を失するかも知れぬが、現になお雪江さんに対して、強い愛着の念を持って居る僕が、....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
わばひろ子達のお相手役なのだから、一人でひろ子の部屋で差し向いになるのはちよつと
礼を失するように思われる。
それで応接間で話すことにした。
「あの、藤枝先生は....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
が博士の性格的運命だ。 博士という個人に就いて性格論や人間論を云々することは、
礼を失する外に多分あまり意味がないだろうが、問題は個人のこうした個性が、超個人的....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
みたくなったのだそうである。 そこで、はじめて気がついたと云うのでは、まことに
礼を失するに当る。が、ふとこの城下を離れた、片原というのは、渠の祖先の墳墓の地で....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
―なかを白紙のままにしておくのはあんまりよくないだろうと思ったのさ、――そいつあ
礼を失するだろうからな。D――は以前ウィンナで僕にひどい仕打ちをしたことがある。....
「ふざけた読書」より 著者:豊島与志雄
信を書かせるばかりか、名簿をくって住所を探し出すの労をもとらせる。こんなのは却て
礼を失するものだ。」 そういう気分の時には、賀状を書くべからずである。 某氏....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
て、また、自分――クリストフ――は、彼女がちょうど認めたとおり、時とすると非常に
礼を失することもあるけれど、ブラームスの賛辞ほど彼女にとって不面目なことを決して....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
学術の健全なる発達に対する熱望の外には何物もない。ただ生来の不文のために我学界に
礼を失するがごとき点があるかもしれないが、これについては単えに読者の寛容を祈る次第である。(昭和九年四月『改造』)....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
り例のないことである。それに封建色の強いこの社会では大先輩を待たせておいて散歩は
礼を失するも甚だしいというような考え方も濃厚だ。また対局中は神経が異常にたかぶる....
「二科会その他」より 著者:寺田寅彦
感興が起ろうはずはない。 思うままを備忘までに書いてみた、名前を挙げた画家達に
礼を失するような事がありはしないかと思うが、素人の妄言として寛容を祈る。(大正十四年十月『明星』)....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
。しかるに何んぞ対等の礼を執ったる国書を持来たすとは! そこで「これより後蛮夷の
礼を失するものあらば、之を奏聞すること勿れ」と侍臣に言渡したほどであった。 と....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
人気に縛められたれば、いまさら逃避もなり難き儀に候。苦しければとて襟をはずすは、
礼を失すると同様に、安全をも失することに候わん。もしアイルランドを失わんか、たと....
「簪を挿した蛇」より 著者:中谷宇吉郎
省の方たちや、科学精神の涵養《かんよう》に立派な普及書を出しておられる先生方に、
礼を失するかの如く誤解されるかもしれない。しかしそれは全くの誤解であって、科学精....