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礼義
「礼義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
礼義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
るようで、その実両方の仲を堰《せ》く、慇懃《いんぎん》な男女間《なんにょかん》の
礼義は彼らのどちらにも見出す事ができなかった。男は帽子の縁《ふち》に手をかける面....
「こころ」より 著者:夏目漱石
た通り、約束の九時に訪問した。先生の新橋行きは前日わざわざ告別に来た友人に対する
礼義《れいぎ》としてその日突然起った出来事であった。先生はすぐ帰るから留守でも私....
「草枕」より 著者:夏目漱石
」や「金色夜叉《こんじきやしゃ》」の功徳ではない。汽船、汽車、権利、義務、道徳、
礼義で疲れ果てた後《のち》に、すべてを忘却してぐっすり寝込むような功徳である。 ....
「明暗」より 著者:夏目漱石
《つら》まえて、ありゃ芸者かって君に聴いて叱《しか》られたね。君は貴婦人に対する
礼義を心得ない野人として僕を叱ったんだろう。よろしい僕は野人だ。野人だから芸者と....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
人と同じく西向きであるから双方共挨拶のしようがない。昔堅気《むかしかたぎ》の人は
礼義はやかましいものだ。
「さあどうぞあれへ」と床の間の方を指して主人を促《うな....
「新生」より 著者:島崎藤村
て何が園子の心を悦《よろこ》ばせるかを知った。彼は自分の妻もまた、下手《へた》に
礼義深く尊敬されるよりは、荒く抱愛されることを願う女の一人であることを知った。
....
「家」より 著者:島崎藤村
候。奈何いたし候や。あるいは御許の心変りしやとも考え、斯くては定めし夫に対しても
礼義崩れ、我儘なることもなきやと、日々心痛いたし居り候。御許ばかりは左様の事なき....
「ウォーソン夫人の黒猫」より 著者:萩原朔太郎
の続きにもどり、元気よくしゃべり出した。 夫人は不愉快な侮辱を感じた。何という
礼義知らずの客だろう。皆は明らかに猫を見ている。その上に自分の質問の意味を知って....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
まわしている。そして、究理の学徒がするような冷静な態度でくだらぬ質問をしている。
礼義とか外交手腕じゃないようだ。余裕がありすぎるから、余裕のない世界を弄び、たの....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
て仕度《したく》をなし、女監取締りの監房を開きに来るごとに、他の者と共に静坐して
礼義を施し、次いで井戸端《いどばた》に至りて順次顔を洗い、終りて役場《えきじょう....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
霊なり。性の善なる、もとより論をまたず。脩心学とはこの理に基き、是非曲直を分ち、
礼義廉節を重んじ、これを外にすれば政府と人民との関係、これを内にすれば親子夫婦の....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
かるべからざるなり。 例えば支那流に道徳の文字を並べ、親愛、恭敬、孝悌、忠信、
礼義、廉潔、正直など記して、その公私の分界を吟味すれば、親愛、恭敬、孝悌は、私徳....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
人我が使に謂って曰く、亟に聞く、海東に大倭国あり、これを君子国と謂ふ。人民豊楽、
礼義|敦く行はると。今使人の容儀を看るに、はなはだ浄し。豈に信ならざらんや」とあ....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
れを発表せしめたのであった。したがってその筆鋒は辛辣を極め、用語野卑にして文壇の
礼義に戻るもの多く、為に甚だしく学界の顰蹙を招くべき事についても、あえて顧慮する....
「それから」より 著者:夏目漱石
』じゃないか、金の相談ならもう御免だよ」と代助は遠慮なく先へ断った。 「君も随分
礼義を知らない男だね」と寺尾は已《やむ》を得ず答えた。けれども別段感情を害した様....