社交家[語句情報] »
社交家
「社交家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
社交家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、帰国の時そのまま残して来たものだ。 今日の昼も、かの女は、賢夫人で評判のある
社交家の訪問を受け、話の序に、いろいろむす子の、巴里滞在について質問をうけた。「....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
と葉子に云った。そう云われれば葉子は坂本より文壇に近いわけである。けれど文壇的
社交家でない葉子は文学雑誌記者であり新進小説家としての川田氏が提供する程の尖鋭的....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
るんだから始末がわるいよ。いっそ、猩々のような教授然としたやつか、黒猩々みたいな
社交家ならいいがね、どうも、厭世主義者とか懐疑主義者というやつは、猟師にはいちば....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
あ武谷先生……」 八代閣下と武谷博士がグウとも云えないまま苦々しい顔になった。
社交家の杉山茂丸氏が透かさず話題を転じた。鍋の中でグツグツ煮えている鯨のスキ焼の....
「親友交歓」より 著者:太宰治
覚えがあった。 「知っている。あがらないか」私はその日、彼に対してたしかに軽薄な
社交家であった。 彼は、藁草履を脱いで、常居にあがった。 「久しぶりだなあ」と....
「惜別」より 著者:太宰治
、「あなたがお金持で、弟は貧乏だというところも違います。」 「まさか。」さすがの
社交家も、之には応対の仕様が無かった。 「本当です。父が死んでから、一家はバラバ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
気に入った。 それに、ピアノが弾けて、然も、所望すると、さっさと弾く。無邪気な
社交家であった。 「オバチャマ、コノオ洋服、アリーノママガネエエ、ミシンデヌッテ....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
、あの男は。」 「知ってるだろう、周釣さ。」 周釣といえば、多方面に知られてる
社交家で、本業は貿易商だという触れこみだった。然し、秦たち少数の者の間には、大体....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
その当時彼はこの公爵のことを深く気にかけてはいなかった。公爵は南|伊太利で有名な
社交家だということを知る以上には。彼は若い時にある上流社会の夫ある女と駈落ちした....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
く、疑り深くて、人情に冷淡。家族泣かせの左近であったが、外部に対しては如才のない
社交家で、人のウケは大そうよい。幕府時代は家族の者にも身分相応にちかいことはして....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の女は一人のシノブだと云ったが、三人の男は一人の誰だろう? シノブは、美しく、
社交家で、明るかった。彼女がアニヨメとして克子の前に現れたときには、すくなからぬ....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
「その男は僕が大学にいた二年間に出来た、たった一人の友達だったのだ。僕は決して
社交家じゃなかったから、いつもむしろ自分の部屋の中にとじこもって、推理方法の研究....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
せん。女房が家庭生活一方というのは、そういう家庭的な性格の奥さんならよろしいが、
社交家で家庭外の方向に手腕もあるし、家庭生活だけではなんとなく物足りないという性....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ました。於菟さんの不断著を縫って見ようとなすったのです。媒妁をして下すった夫人は
社交家で、「森さんは奥さんのお扱いが下手だ」といわれましたが、世馴れた人の目から....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
するは決して無理はない。ブツクサいうものが誤っておる。 が、沼南の応対は普通の
社交家の上ッ滑りのした如才なさと違って如何にも真率に打解けて対手を育服さした。い....