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「祈る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

祈るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
を散歩につれ出そうとしている。では万里《ばんり》の海彼《かいひ》にいる君の幸福を祈ると共に、一まずこの手紙も終ることにしよう。ラッサは今家々の庭に桃の花のまっ盛....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
に帰すのも同然であった。彼はついに枕《まくら》を噛《か》みながら、彼自身の快癒を祈ると共に、併せて敵《かたき》瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》の快癒も祈らざるを得なか....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
うか》にあったのです。勿論|骨董《こっとう》としてあったのではなく、一家の繁栄を祈るべき宗門神《しゅうもんじん》としてあったのですが。 その稲見の当主と云うの....
おしの」より 著者:芥川竜之介
しめ》し一つです。偶像の知ることではありません。もしお子さんが大事ならば、偶像に祈るのはおやめなさい。」 しかし女は古帷子《ふるかたびら》の襟を心もち顋《あご....
忠義」より 著者:芥川竜之介
いようであった。恐らく彼は、神明の加護と自分の赤誠とで、修理の逆上の鎮まるように祈るよりほかは、なかったのであろう。 その年の八月一日、徳川幕府では、所謂《い....
或る女」より 著者:有島武郎
理解してやらなければいけないと思う。どうか兄らの生活が最後の栄冠に至らん事を神に祈る」 こんな文句が断片的に葉子の心にしみて行った。葉子は激しい侮蔑《ぶべつ....
或る女」より 著者:有島武郎
のはとても耐えられない。しかし一人《ひとり》はどうあっても生みたいものだと葉子は祈るように願っていたのだ。定子の事から考えると自分には案外子運があるのかもしれな....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
う思った。そう思うにつけて、その人たちの行く末については、素直な心で幸あれかしと祈るほかはなかった。人の力というものがこんな厳粛な瞬間にはいちばんたよりなく思わ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
分に申し出して見よう。唯この貧しい言葉の中から暗示が姿を隠してしまわない事を私は祈る。 神を知ったと思っていた私は、神を知ったと思っていたことを知った。私の動....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
面白い書物の面白さの幾分をも伝え得ないであろうということを考えて切に読者の寛容を祈る次第である。 若干の訳述上の難点について、友人小宮豊隆君の示教を仰いだこと....
天守物語」より 著者:泉鏡花
夜なり。野道|山路厭いなく、修行積んだる某が、このいら高の数珠に掛け、いで一祈り祈るならば、などか利験のなかるべき。橋の下の菖蒲は、誰が植えた菖蒲ぞ、ぼろぼん、....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、人の和、まさしく時節じゃ。――ここの大池の中洲の島に、かりの法壇を設けて、雨を祈ると触れてな。……袴、練衣、烏帽子、狩衣、白拍子の姿が可かろう。衆人めぐり見る....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
おのが幾年の寿命を縮め、身をもて神仏の贄に供えて、合掌し、瞑目して、良人の本復を祈る時も、その死を欲するの念は依然として信仰の霊を妨げたり。 良人の衰弱は日に....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
手が硝子戸を擡げようとして悪戦苦闘する容子を、まるでそれが永久に成功しない事でも祈るような冷酷な眼で眺めていた。すると間もなく凄じい音をはためかせて、汽車が隧道....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
まりました。 みんなの者はコップに葡萄酒をついで、 「お前のおかあさんの無事を祈る。」といってのみました。 マルコはうれしくてどうしてよいかわからずただ「あ....