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祝儀
「祝儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
祝儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
麭ほどの相違がある。だから一つカッフェに勤めていても、お君さんとお松さんとでは、
祝儀の収入が非常に違う。お松さんは勿論、この収入の差に平《たいら》かなるを得ない....
「或る女」より 著者:有島武郎
大事らしく見やられた。車夫が梶棒《かじぼう》をあげようとする時|女将《おかみ》が
祝儀袋をその手に渡すのが見えた。
「さようなら」
「お大事に」
はばかるように....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
もって、へへへ、相性は聞きたし年紀は秘したしなんて寸法だ。ええ、旦那、三世相は御
祝儀にお求め下さいな。」 いよいよむっとして、 「要らない。」と、また立とうと....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
でござります。彼等|夥間に結納と申すは、親々が縁を結び、媒妁人の手をもち、婚約の
祝儀、目録を贈りますでござります。しかるにこの度は、先方の父親が、若様の御支配遊....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
や。」 「まあ、」 「三銭にさっせえよ。――お前もな、青草ものの商売や。お客から
祝儀とか貰うようには行かんぞな。」 「でも、」 と蕈が映す影はないのに、女の瞼....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
って、微笑んだ。 小次郎法師は、寿くごとく、一揖して、 「成程、尉殿だね。」と
祝儀する。 「いえ、もう気ままものの碌でなしでござりますが、お庇さまで、至って元....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。何んと恐しかろう。捻平さん、かくまで身上を思うてくれる婆どのに対しても、無駄な
祝儀は出せませんな。ああ、南無阿弥陀仏。」 「狸めが。」 と背を円くして横を向....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
る、傍ら夜は村里の人々に時々の流行唄、浪花節などをも唄って聞かせる。聞く方では、
祝儀のかわりに、なくても我慢の出来る、片手とれた鍋の鋳掛も誂えるといった寸法。小....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
だね。」 「ですから、お供を願いたいんで、へい、直きそこだって旦那、御冥加だ。御
祝儀と思召して一つ暖まらしておくんなさいまし、寒くって遣切れませんや。」とわざと....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、 「ああ、今夜唯今、与五郎芸人の身の冥加を覚えました。……ついては、新蕎麦の御
祝儀に、爺が貴女に御伽を話す。……われら覚えました狂言の中に、鬼瓦と申すがあって....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て、青柳か湯豆府とあろう処を、大戸を潜って、迎も待たず、……それ、女中が来ると、
祝儀が危い……。一目散に茶屋まで仲之町を切って駆けこんだろう。お同伴は、と申すと....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ばかりさ。」 「厭でございます。」 「厭だって仕方がない、何も情人が出来たのに御
祝儀をいわれるたッて、弱ることはないじゃあないか。ふん、結構なことさね、ふん、」....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
をくぎって行くプラットフォオムの柱、置き忘れたような運水車、それから車内の誰かに
祝儀の礼を云っている赤帽――そう云うすべては、窓へ吹きつける煤煙の中に、未練がま....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ある。 名妓? いかなるものぞ、と問われると、浅学不通、その上に、しかるべき御
祝儀を並べたことのない私には、新橋、柳橋……いずくにも、これといって容式をお目に....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
八 少なからぬ借金で差引かれるのが多いのに、稼高の中から渡される小遣は髪結の
祝儀にも足りない、ところを、たといおも湯にしろ両親が口を開けてその日その日の仕送....