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「祝辞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

祝辞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
令嬢アユ」より 著者:太宰治
とう。」佐野君は、こだわらずに言った。事変のはじまったばかりの頃は、佐野君は此の祝辞を、なんだか言いにくかった。でも、いまは、こだわりもなく祝辞を言える。だんだ....
ロマネスク」より 著者:太宰治
けた。生れるとすぐ大きいあくびをした。惣助はそのあくびの大きすぎるのを気に病み、祝辞を述べにやって来る親戚《しんせき》の者たちへ肩身のせまい思いをした。惣助の懸....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
キイ・アカーキエウィッチの新しい外套を見に守衛室をさしてどっと押しかけた。そして祝辞を述べたり、お世辞を言ったりし始めたので、こちらは初めのうちこそ、にやにや笑....
大島が出来る話」より 著者:菊池寛
さ》えた方が結局は得ですから。」と譲吉が、入社が定まった事を報告に行くと、夫人は祝辞を述べてから、直《す》ぐこう云い出した。譲吉は夫人に金を借りてでも、洋服を新....
思案の敗北」より 著者:太宰治
何も言えない。 中谷孝雄氏の「春の絵巻」出版記念宴会の席上で、井伏氏が低い声で祝辞を述べる。「質実な作家が、質実な作家として認められることは、これは、大変なこ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
軍医監の玉串|奉奠ありて、古賀発起人総代の挨拶、佐藤理事の工事報告、武谷軍医監の祝辞ありて正午閉式、引続いて祝宴に移り翁の逸話懐旧談に歓を尽し一時過ぎ散会した。....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
階段を降りて入口を出ようとする所で叔父と田島は挨拶を交わした。田島は改めて卒業の祝辞を叔父にいった。叔父の顔はいかにも満足気に輝いた。 「え、まあどうにかつまづ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、快感がたかまっているのだ。 「さア、のんで。放二さん。記代子さんもよ。なんとか祝辞おッしゃいよ。あなた方」 せつ子の浮きたつ様を放二はまぶしそうにうけとめて....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
。 毛沼博士は表面上私達の結婚を喜んで呉れまして、贈物もするし、披露の席上では祝辞を述べて呉れました。私達は当時は彼がそんなに恐ろしい悪人とも思いませんでした....
次郎物語」より 著者:下村湖人
もしろくて毎回わざわざ顔を見せるのか、次郎にはわけがわからなかった。世間には来賓祝辞を所望される機会が来るのを一つの楽しみにして、学校の卒業式などに臨む人も少な....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
秋子さんというのも常連の中にいた。この郡長は学校の式の時の最高官吏で、来賓総代で祝辞を述べるとき、いつでも「臣秀一」といった。その厳めしい郡長の令嬢は私たちの「....
岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
の結婚披露式に列したことをはつきり覚えている。友人を代表するかたちで、私が一席、祝辞を述べることになつたのだが、どんなことを喋つたか、それはもうわすれてしまつた....
茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
し、みなしごは伯母さんに殴られ通しだ。そうかと思うと、ふられた奴が恋仇の結婚式で祝辞をのべ、死んだ奴が花束の下から首を起こして突然棺桶をねぎりだす。別段死者や恋....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
つでも助力に馳せつける身構えだった――助言とか、公文書の草稿とか、念入りな象徴的祝辞文(つまり女王の御機嫌をとるための、長たらしいエリザベス朝一流の謎文書の羅列....
はつ恋」より 著者:神西清
、札を四人に配る時、切札を全部わが手に収めてしまったので、ルーシンは『僭越ながら祝辞を述べる』ことになった。マイダーノフは自作の『人殺し』という長詩の一節を朗読....