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「神出鬼没〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神出鬼没の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
われている人が、なにを隠そう、わちきのだんなさんざます」 呉服屋専門の凶賊で、神出鬼没、変装自在なところから八つ化け仙次と称されて、もう長いことおたずね中にか....
蠅男」より 著者:海野十三
はもういつの間にか、この囲みをぬけてどこかへ逃げてしまったのではないか。 全く神出鬼没の怪漢蠅男のことだから、容易に捕る筈がない。しかもこの界隈は、人間の多い....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、話の声が聞こえて来た。「どうもこれでは手がつかない」直江蔵人の声らしかった。「神出鬼没というやつだ。出たかと思うと消えてしまう。消えたかと思うとヒョッコリ出る....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
が怪奇をきわめ、犯人「斬裂人《リッパア》のジャック」の行動がまったく探偵小説的に神出鬼没《しんしゅつきぼつ》そのものであったかが推測されよう。 狭い区域内で、....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
鞄を並べてみればよく分るのであるが、今はそんなことが出来ない。お化け鞄は相変らず神出鬼没《しんしゅつきぼつ》だし、目賀野たちが出頭して引取っていった只の鞄の方は....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
立って、小池の姿は見えなくなった。また見えたなと思うと五、六間してまた煙が上る。神出鬼没じつに自由なものだ。やっと三人が揃って、杉の森をぬけて谷川の上に架した釣....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ととらえるには手古摺ったものだ」 「それはさようでございましょうとも」 「その上神出鬼没と来ている」 「さすがは名誉の海賊で」 「何しろ船が別製だからな」 「自....
南国太平記」より 著者:直木三十五
肴をあつらえておかあ。何うじゃ。姿も町人なら、言葉も、上手であろう。益満休之助、神出鬼没、江戸中を――江戸中の女を、引っ掻き廻す――これが、隠れ蓑」 「腰が、淋....
魔像」より 著者:林不忘
くらいのところで、根が変り者の変った世帯だから、誰も気にとめない。みな、茨右近の神出鬼没《しんしゅつきぼつ》ぶりに感心するだけで、喬之助という影武者《かげむしゃ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
難船したが、彼は奇蹟的に助かり、首尾よく日本潜入に成功した。これより日本に於ける神出鬼没の大活躍がはじまるのであるが、彼の足跡をうかがうに、道なき山野をわけ岩を....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
に酔っ払って良く生き延びていられたものだと思う。一足でればパンパンやアンチャンが神出鬼没をきわめている暗黒街なのである。 むろん焼跡の露にうたれて寝ていたこと....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
う半年もずッと台湾へ行ってるのです。ですが、乱世のことですから、国際人はたいがい神出鬼没らしいわね。ひょッとすると、私の知らないうちに、日本に戻っているのかも知....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
で慌てたが、けっして逃しはしなかった。 夜明けごとに、違った地角に姿を現わす、神出鬼没の暁の使者、季節の変わるたびごとに、新しい童話を乗せて渡ってくる異国の風....
常に自然は語る」より 著者:小川未明
じめに於て、千変万化の行動に関して、吾人のはかり知ることを許さないのが雲である。神出鬼没の雲の動作程、美と不可知の力を蔵するものは他にあるまい。しかし、たゞ、そ....