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神木
「神木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、伊勢木を出さずに済むまいぞ。」 伊勢木とは、伊勢太神宮へ祈願をこめるための
神木をさす。こうした深い山の中に古くから行なわれる雨乞いの習慣である。よくよくの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
あるか。御神馬の彫刻はだれの作か。そこには舞殿があり絵馬殿があり回廊があるか。御
神木の拗の木とは何百年ぐらいたっているか。一の宮に特殊な神事という鶏毛打の古楽に....
「狐と狸」より 著者:田中貢太郎
これを聞くと、 「百年の精なれば、猟犬を見れば形を現わすが、千年の妖なら、千年の
神木の火で見ればきっと形を現わす」 と言った。雷孔章が、 「そんな
神木がどこに....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に檜苗を植えた。
粕谷八幡はさして古くもないので、大木と云う程の大木は無い。御
神木と云うのは梢の枯れた杉の木で、此は社の背で高処だけに諸方から目標になる。烏が....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
あの、三人は?」 「はあ、されば、その事。」 と、翁が手庇して傾いた。 社の
神木の梢を鎖した、黒雲の中に、怪しや、冴えたる女の声して、 「お爺さん――お取次....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
兵馬」 と名を呼んで二人を求めんと狂い廻る。兵馬はこの時、こんなこととは知らずに
神木屋というのへ宿を替えて、その朝は、昨夜のあの護摩壇《ごまだん》へ行こうとして....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たのか、 「いろいろございます、これが諏訪の明神様の絵図、こちらがおなじ明神様の
神木でこしらえましたお箸、それから、湖水で取れました小蝦《こえび》と鮒《ふな》…....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ある山中に住んで居たのじゃ。然るにある年八幡宮がこの鶴岡に勧請されるにつけ、その
神木として、俺が数ある銀杏の中から選び出され、ここに移し植えられることになったの....
「怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
して、害虫の蔓延を防ごうということになったが、有力な反対が起った。なにしろ一種の
神木に関することであり、慎重を期する必要があるので、も一度、専門の博士に鑑定を仰....
「餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
家伝によるのであった。 杉の木の当主助六は戦争中に杉の木にシメナワをめぐらして
神木に仕立ててしまった。そして無事供出をまぬがれるとともに、シメナワをはるわけに....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
た。 諸嬢と市中へ行く。世界的百貨店、ウェルトハイムの大飾窓に煌めく満天の星、
神木の木の下の女神を取巻く小鳥、獣類、人間の小児、それらを囲る幽邃な背景が、エン....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
。これまでいっても解らぬかな……今の話の白縮緬組、南都の悪僧が嗷訴する時|春日の
神木を担ぎ出すように、お伝の方の飼い犬を担ぎ出して来ると云うではないか。だから迂....
「多神教」より 著者:泉鏡花
、この呪詛の形代を(藁人形を示す)言わば軽々しう身につけおったは――別に、恐多い
神木に打込んだのが、森の中にまだ他にもあるからじゃろ。 お沢 いいえ、いいえ……....
「支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
派な馬に乗り、恵王の陵の門前から、あたりを払って出て行った。 これを、門前のご
神木が見た。そこでご
神木は、彼の姿を呼び止めて、 おい君、大分おめかしして、一....
「古事記」より 著者:太安万侶
つて、お召しになり得ずに歌をくださいました。その御歌は、 御諸《みもろ》山の御
神木のカシの樹のもと、 そのカシのもとのように憚られるなあ、 カシ原《はら》のお....