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神色
「神色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神色の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
だ主将が武器をとって一騎討したという例は、多くはないようである。信玄は、その後も
神色自若、孫子の旗と法性の旗をかざして牀几を動かず何事もなかりしが如く軍配をふっ....
「運命」より 著者:幸田露伴
臨みて、従容として嘆じて曰く、変|宗親に起り、略|経画無し、敬死して余罪ありと。
神色|自若たり。死して経宿して、面猶生けるが如し。三族を誅し、其家を没するに、家....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、恐るべき御上意の下るのは知れ切ったことでした。 しかし主水之介は、森々沈着、
神色また自若、しいんと声を含んで氷のごとく冷たく平伏したままでした。 その頭上....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
将軍をば、まさかの時の鉄壁とたのみて、その二十二貫小山のごとき体格と常に怡然たる
神色とは洶々たる三軍の心をも安からしむべし。 肱近のテーブルには青地交趾の鉢に....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
さしめんと欲し給わば、須《すべか》らくまず臣に死を賜わるべし。 と答え終って、
神色自若。満廷の群臣色を喪《うしな》い汗を握る暇もなく、皇帝震怒、万雷一時に激発....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
一大事一大事……ナ、何事じゃ……と慌てふためく動的はした役者よりも、舞台の真中に
神色自若としている千両役者の方が、はるかに深い感動を見物に与えるようなものであり....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
武功のほど羨ましい。さて帰路を要して己を殺さんとせるヨバテースの強兵を殺し尽して
神色自若たるを、ヨが見てその異常の人たるを知り国の半を与え女婿とした。それからチ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の大公使、それに対馬典六、神田正彦も出席いたしておりました」 さすがの海舟も、
神色自若たるものではあるが、口をつぐんで、ちょッと考えこんだ。天下稀代の頭脳、利....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ったわけではない。 いっそ、特にあの坂で、とでもいうことなら、いかにお夏さんが
神色自若としていたから、といって、こちらが呑気だからといって、墓といい、森といい....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
をこの川の中に投じてくれろ」と繩に掛りながら仰せられ、暫く経文を唱えて居られたが
神色自若として少しも今死に臨むという状態は見えない。ごく安泰に読経せられて居った....