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「神速〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

神速の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
も動かさざりき。 ことのここに及べるまで、医学士の挙動|脱兎《だっと》のごとく神速にしていささか間《かん》なく、伯爵夫人の胸を割《さ》くや、一同はもとよりかの....
交尾」より 著者:梶井基次郎
要である。これはそろそろ近寄って行っても河鹿の隠れてしまうのは同じだからなるべく神速に行なうのがいいのである。瀬のきわまで行ってしまえば今度は身をひそめてじっと....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つのを、法水は駄々児を諭すような調子で、 「ウン、この事件の犯人たるや、いかにも神速陰険で、兇悪きわまりない。しかし、僕の云う理由はすこぶる簡単なんだ。だいたい....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
直に兵を間米山に集め義元の首を馬の左脇にさげて、日暮には清須に引上げた。まさに、神速なる行動である。熱田の宮では拝謝して馬を献じ社を修繕することを誓った。 凱....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
て真一文字に突入って、忽ち丸山を占領して仕舞った。そして新手を丸山の前に備えた。神速の行動に、もろくも一の柵を破られたので、明智十兵衛光秀、不破河内守等が馳せ来....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
る発言権を握ったわけだ。勝家以下の諸将が、変に応じて上洛を期したけれども、秀吉の神速なる行動には及ぶべくもなかった。だが、信長の遺児功臣多数が存する以上、すぐ秀....
山崎合戦」より 著者:菊池寛
。本能寺の兇変が、天正十年六月二日で、山崎合戦は同じく十三日である。秀吉の用軍の神速知るべしである。 備中の陣に、兇報が来たとき、黒田如水は秀吉に悔みを云うか....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、人の子一人いなかった。 駈け引き自在の七福神組達、形勢非なりと見て取るや例の神速の行動で、七人七方へバラバラと、潜行してしまったに相違ない。 正しくそれに....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
一人ではない。犯と云っては悪いけれども、まことに、どうも、生き馬の目をぬくこと、神速、頭脳優秀なのは彼一人ではなかったのである。 芸者、料理屋、待合などから、....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
世人の噂に依れば、これこそ赤格子九郎右衛門が、怨みある敵を討ち果たしたので、その神速の行動は即ち忍術の奥儀でありその精妙の剣の業は即ち居合の秘術であると。 噂....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
な事には、反徒の頭目由井正雪を駿府の旅宿で縛めようとした時だけは、幕府有司のその神速振りが妙にこじれて精彩がなかった。江戸から発せられた早打が駿府の城へ着いてか....
書記官」より 著者:川上眉山
うむ、それもよしこれもよし。さて謀をめぐらそうか。事は手ッ取り早いがいい。「兵は神速」だ。駈けを追ってすぐに取りかかろうぞ。よし。始めよう。猶予は御損だ急げ急げ....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
来|僅か三ヶ月で朝鮮半島全部を完全に日本の有に帰せしめたことであって、このように神速の外征は世界の歴史に在っても稀有のことといってよいのである。 爾後百年間朝....
四十年前」より 著者:内田魯庵
め、三日目に帝都を去るや直ちに横浜埠頭より乗船して渡欧の途に上った。その花々しい神速なる行動は真に政治小説中の快心の一節で、当時の学堂居士の人気は伊公の悪辣なる....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
大体一両日の中に制空権を得て、主として飛行機と機械化兵団の巧妙な協同作戦に依って神速果敢なる作戦が行なわれた。殊に民族的にも最も近いオランダには内部工作が巧みに....