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神酒
「神酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
神酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
なさいな」などと、すすめられても、冗談に紛らせて逃げてしまう。それでいて、少しお
神酒《みき》がまわると、すぐに手拭をかぶって、口で笛と太鼓の調子を一つにとりなが....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
五日には、いつも越中守自身、麻上下《あさがみしも》に着換えてから、八幡大菩薩に、
神酒《みき》を備えるのが慣例になっている。ところが、その日は、小姓《こしょう》の....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
に怖ろしかった。お絹は枕もとへ蛇の箱を持って来いと言った。 「君ちゃん。神棚の御
神酒《おみき》と、それからお米を持って来ておくれ」 箱はお絹の枕もとに運び出さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
昌だ」と、三十二、三の亭主が答えた。 「それじゃあ、わたしも早くお参りをして、お
神酒《みき》とお供え物をあげて来ましょう」 女房は帯をしめ直して、表へ出る支度....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ど詰まって、ゆう六ツの鐘を聴かないうちに、狭い家の隅々はもう薄暗くなった。お亀は
神酒徳利や団子や薄などを縁側に持ち出してくると、その薄の葉をわたる夕風が身にしみ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
めてその「華(一四)」を育う。それからこれを茶碗に注いで飲むのである。これまさに
神酒! 晴天|爽朗なるに浮雲鱗然たるあるがごとし(一五)。その沫は緑銭の水渭に浮....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
盛が迎えに出て来て居て、出陣式法の菓子をそなえた。信長は喜んで宮に参り願文を奉じ
神酒を飲んだ。願文は武井入道|夕菴に命じて作らしめたと伝うるもので、 「現今の世....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
面冠者の藤吉郎で、二十何万石という観覧料を払った代り一等席に淀君《よどぎみ》と御
神酒徳利《おみきどくり》かなんかで納まりかえって見物して居るのであった。しかも洗....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
その市の姫十二人、御殿の正面に揖して出づれば、神官、威儀正しく彼処にあり。土器の
神酒、結び昆布。やがて檜扇を授けらる。これを受けて、席に帰って、緋や、萌黄や、金....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
が、山路へかかって、八ツさがりに、私ども御堂へ寄ったでござります。 そこで、御
神酒を進ぜました。あびらうんけんそわかと唱えて、押頂いて飲んだですて…… (お気....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
(三方を両人のあいだに据うれば、両人は形をあらためて一礼す。玉虫は更に祭壇より
神酒を入れたる甕を取りおろし、うやうやしく押しいただきて、しばしは口のうちにて何....
「迷信解」より 著者:井上円了
る、武士が瓢箪を切りたる話は、『珍奇物語』と題する書中に出ておる。また、祈祷者が
神酒徳利に鰍をいれたる話は、『閑際筆記』に見えておる。多分その当時、民間にて評判....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
じような柄行きで、いつも相列んで同じような役所をつとめていたので、世間一般に“御
神酒徳利”と呼び慣わしていた。その御
神酒徳利がやはり相列んで、名題俳優の列に加わ....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
疲らして手をつけ足を入れしならん。 按摩済む頃、袴を着けたる男また出で来りて、
神酒を戴かるべしとて十三、四なる男の児に銚子|酒杯取り持たせ、腥羶はなけれど式立....
「古事記」より 著者:太安万侶
の母君のお詠み遊ばされた歌は、 このお酒はわたくしのお酒ではございません。 お
神酒《みき》の長官、常世《とこよ》の國においでになる 岩になつて立つていらつしや....