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「祷る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

祷るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
時代の袁紹の部将の顔良を祀ったもので、これもその由来は想像しかねるが、土地の者が祷るとすこぶる霊験があるというので、甚だ信仰されている。 それがために、その周....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
とのことは、清助さんにもよく頼んで置いて行く。」 と半蔵は妻に言って、父の病を祷るために御嶽神社への参籠を思い立った。王滝村とは御嶽山のすそにあたるところだ。....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
温暖かい血の気が感じられるまで根気に父の足をなでさすっていた。先年、彼が父の病を祷るために御嶽山の方へ出かけたころから見ると、父も次第に健康を回復したが、しかし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
左衛門発病の当時、たとい自己の寿命を一年縮めても父の健康に代えたいと言ってそれを祷るために御嶽参籠を思い立って行ったことから、今また不眠不休の看護、もう三晩も四....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ます。」 と禰宜も彼を見に来て言った。過ぐる文久三年、旧暦四月に、彼が父の病を祷るためここへ参籠にやって来た日のことは、山里の梅が香と共にまた彼の胸に帰って来....
富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
る夜その祠へ往った。 その祠にはそれぞれ司曹があって、祈願の種類に依ってそれを祷ることになっていた。祠の左右の廡下に並んだ諸司にはそれぞれ燈火が点いて、参詣の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
同の大小浅深さま/″\に受けられた苦痛から最好きものゝ生れ出でんことを信じ、且|祷るのみであります。 四 勿論先生があなたを深く深く愛された....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
「それではお祷りをして、わたくしからその子細を伺ってみましょう」 香を焚いて祷ると、やがて神はくだった。 神は捧げられた紙の上に、左の文字を大きく書いた。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
消えてしまったのですから、実に不思議です。勿論、早速にその筋へ訴え出るやら、神に祷るやら、四方八方をたずね廻らせるやら、手に手を尽くして詮議したのですが、遂にそ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《つかさど》る。悪鬼に付かれし者これに祷《いの》れば退く。流行病烈しき時もこれに祷る。鬼に付かれ熱を病む者、その像や祠《ほこら》を望んだばかりで癒え鬼叫ぶという....
連環記」より 著者:幸田露伴
、心は山中に住むが如し。官爵は運命に任す、天の工|均し矣。寿夭は乾坤に付す、丘の祷ることや久し焉。と内力少し気※に至る、其費且つ巨千万、其住|纔に二三年、古人の....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
さと訓べし。又たゞちにふせとも訓べき也。こゝに乞のむといへるは、仏に乞にて、神に祷るとは事異なれば、幣とはいはで、布施と言へる也。施を※の誤として、ふしおき(臥....
魔都」より 著者:久生十蘭
、椅子の上に固まってしまった。苦悩の色がありありと頬に射しかけ、双の瞼はさながら祷るが如く、低く垂れ下る。銃士の一人がスイッチを入れて行ったと見え、壁の上に口を....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
なんです?……どうか、もう、一度」 ヤロスラフは、敬虔なようすで眼を閉じると、祷るような口調で繰りかえした。 「神の御思召あらば、リストリア王国を統べたもうべ....
金狼」より 著者:久生十蘭
鶴はあれこれと食物の世話をやき、たくさん、たくさん食べてちょうだい、と、まるで祷るように、いくども幾度もくりかえすのだった。久我が食べはじめると、こんどは両手....