禁じる[語句情報] »
禁じる
「禁じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禁じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
に、暗い影を投げるような――彼自身の実力が根本的に怪しいような、いまわしい不安を
禁じることが出来ない。
「自分はさっきまで、本朝に比倫を絶した大作を書くつもりで....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
私はこの記事を新聞で読んだとき、そぞろに爽快《そうかい》な戦慄《せんりつ》を
禁じることができなかった。 闇《やみ》! そのなかではわれわれは何を見ることも....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
連れて、それもだん/\に少くなったばかりでなく、幕府でも私にかたき討をすることを
禁じる方針を取っていましたし、諸藩でも表向きには仇討の願いを聴きとどけないのが多....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
食うたびに、並木の靄のうちに聞える鈴の音を思い出して、一種の詩情の湧いて来るのを
禁じることが出来ない。 おなじ果物を運びながらも、東京の馬力では詩趣も無い、詩....
「子猫」より 著者:寺田寅彦
失った親のために、また親を失った子のために何がなしに胸の柔らぐような満足の感じを
禁じる事ができなかった。 三毛の頭にはこの親なし子のちびと自分の産んだ子との区....
「さるかに合戦と桃太郎」より 著者:寺田寅彦
なって登場するのもやはり自然の方則に従って出て来るので、法律で蜂と栗と臼の登場を
禁じると、今度はさそりやばらやたくあん石が飛び出して来るかもしれない。また、桃太....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
が真面目になって取り上げられる程に、日本の文学は低調なのではないか、という感じを
禁じることが出来ない。現に現在の日本で、一般に文芸批評の組織的な体系が一体どこに....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の国粋的な大義を忘れて、吾々日本国民が外国のしかじかの事件や風情を見聞することを
禁じるというのは、何とした腑甲斐なさであろう。ましてかかる厳粛なるべき事柄を紅毛....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
草をのまぬ人は喫煙者に同情がないということだけはたしかである。図書室などで喫煙を
禁じるのは、喫煙家にとっては読書を禁じられると同等の効果を生じる。 先年胃をわ....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
かに人格価値の評価ではあるが、それは盗む鼠に対するのと同じ評価であり、彼にそれを
禁じる動機が存しなかったからといって、彼は責められるわけはないはずである。このこ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
さまる前から在ったもの。万引常習者を装い、その品々を土蔵に積んで、人々の立入りを
禁じる自然の口実をつくって、万人の目から隠さなければならなかったもの。又、この居....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の。鉄砲という新兵器への断圧などは序の口で、大きな河には橋を造らせず、渡し舟まで
禁じるという警戒万全主義であるから、鎖国だとか切支丹宗門断圧は彼の主義政策の当然....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
思えば、その心の奥に一まつのくゆるがごとき、うらむがごとき、一種の念のきざすのを
禁じることができようか。 × × ....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
食うたびに、並木の靄のうちに聞える鈴の音を思い出して、一種の詩情の湧いて来るのを
禁じることが出来ない。 おなじ果物を運びながらも、東京の馬力では詩趣もない、詩....
「審判」より 著者:カフカフランツ
果が減るし、お前を解放はしないにしても、息がつけるだろう」 「ここを離れることは
禁じるかもしれませんよ」と、叔父の話に少し釣りこまれたKは言った。 「そんなこと....