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「禁忌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禁忌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
南島譚」より 著者:中島敦
大|支配者《ムレーデル》の権勢と金力とである。彼の妻は表向きは一人だが、近親相姦禁忌の許す範囲に於いて、実際は其《そ》の数は無限といってよい。 此の大権力者の....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ぬという内達が当事者へあったので、検閲係長に当事者が面会すると、一、宮内省関係の禁忌なき場合、二、古典に理解ある者だけを入場せしめるならば、三、今回だけは、許そ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、瓢に容れた水凍りて瓢を裂く音大なるを忌むのだとは迂遠に過ぎる。それらまさかこの禁忌の源《もと》であるまいが、一九〇六年版ワーナーの『英領中央亜非利加土人篇《ゼ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
にはおられません。 この女王様に、髪を結って見せろと言ったのは、いかに重大なる禁忌に触れたのではなかったか。姿のいいことばかりを考えていたが、その首から以上の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、子供同士の気分に帰ったようなものでもあるし、それには警戒の不安もなく、いや味の禁忌もないことに動かされて、兵馬も、この女と最後の一夜の水入らずの名残りを惜しむ....
間人考」より 著者:喜田貞吉
ても、その地位が他の部曲の民よりも低く認められるに至ったことは想像しやすい。触穢禁忌の思想が次第に濃厚になって来た時代の大宝令において、形式から云えば諸陵寮の雑....
澪標」より 著者:外村繁
する。勿論、何の感情も伴うものでないから、却って極めて露骨である。それ等の言葉が禁忌であることは薄薄知っている。しかし何故禁忌であるかは知らない。また少年達にと....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
はその宗社石清水に古く放生会が行われたほどで、ことさらに殺生を忌まれ、また触穢の禁忌のやかましい社なので、ここでは今なお領域内の殺生を厳禁し、また例祭月の正月と....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
するものがある。 言うまでもなくエタは一種の必要なる労働者であった。ことに触穢禁忌の念の盛んな時代には、どこにも必要欠くべからざる村役人であった。死牛馬の始末....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
あったけれども、それはただ臨時の禁であった。その後両部神道の思想から、所謂触穢の禁忌がやかましくなっても、ただその穢に触れたものだけが、一定の期日間神に近づく事....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
民が牛馬も喰わなくなった後の産物かもしれぬ。 殺生肉食嫌忌の宣伝から起った食肉禁忌の思想がだんだんとこうじて来て、従来もっぱら食肉用の獣と見なされて、その名称....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
あるが、もちろんそれ自身餌取ではない。しかし彼らは屠者同様穢れたものとして、特に禁忌のやかましい神社には、近づき難いものとされておった。延喜式臨時祭の際に、 。....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
朝以後における新賤民が、ことに社会から隔離忌避されるに至ったのは、やはりこの触穢禁忌の思想の、一層濃厚になった為である。 触穢の禁忌とは、我が神明甚だしく穢れ....
放免考」より 著者:喜田貞吉
大江匡房の「江談抄」に、彼らが賀茂祭の際綾羅錦繍の服を著用するも、非人なるが故に禁忌を憚らざるなりとある説を引いて、 貞丈曰く、非人とは甚だ賤しみたる詞なり。至....
濫僧考」より 著者:喜田貞吉
になったのだ。 我が国では神社に触穢を忌む習慣があった。ことに賀茂神社にはこの禁忌がやかましかった。「延喜式」には賀茂斎院の忌詞とし、 打つを撫づ 墓を....