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禁欲
「禁欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禁欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
てみました。
折よく在室とみえ「お入り」と重々しい声です。ドアを開けると、元来
禁欲|僧《そう》じみた風貌《ふうぼう》の彼にはよく似合う刈《か》りたての頭をして....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
らふべくもあらぬ身の、仮の契をいかで結ばん」 と奏して辞したと云う。 多分に
禁欲的な、同時に自己の必然的運命を早くから甘受して居る聡明な青年武将の面影が躍如....
「死生」より 著者:幸徳秋水
でも、又た彼の律僧や禅家などの如く、其の養生の為めには常人の堪ゆる能わざる克己・
禁欲・苦行・努力の生活を為す人々でも、病いなくして死ぬのは極めて尠いのである、況....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
場処も廃止された。この勢いのおもむくところは社寺領上地の命令となり、表面ばかりの
禁欲生活から僧侶は解放され、比丘尼の蓄髪と縁付きと肉食と還俗もまた勝手たるべしと....
「家」より 著者:島崎藤村
ことを悲しく考えて、終に、今まで起したことも無い思想に落ちて行った。僧侶のような
禁欲の生活――寂しい寂しい生活――しかし、それより外に、養うべき妻子を養いながら....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
、またかの律僧や禅家などのごとく、その養生のためには常人の堪えるあたわざる克己・
禁欲・苦行・努力の生活をなす人びとでも、病なくして死ぬのは、きわめてすくないので....
「水の女」より 著者:折口信夫
ら物忌み生活に入る。成年戒を今年授かろうとする者どもはもとより、受戒者もおなじく
禁欲生活を長く経なければならぬ。霖雨の候の謹身であるから「ながめ忌み」とも「雨づ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
だもう一つ秤にかけて考えなければならないことがあった。というのは、ジーキルの方は
禁欲の火の中にあってひどく苦しんでいるのに、ハイドの方は自分が失ったすべてを意識....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
涙を流したほどに深く感動した。 それからヴィール夫人はドクトル・ケンリックの「
禁欲生活」の終わりに書いてある初期のキリスト信者の話をして、かれらの生活を学ぶこ....
「今後の寺院生活に対する私考」より 著者:坂口安吾
寺院に特殊な生活があるとすれば
禁欲生活より外にはないと思われます。しかし一般人間に即した生活|即ち情欲や物欲に....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
係員若干、すべてで二十人はいるのだがね。彼らは相互に警戒して口を緘し、吹聴本能の
禁欲につとめた。実に彼らこそ訓練の行届いた模範的な百貨店員と云うべきだ! とこ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
が、「鼬鼠が卵を吸うように憂欝を吸う」事が好きだからと云って、此の貴族共の知識的
禁欲主義を民衆に強いる事は出来ない。腐った木の上に出た大きな苔のような、誘惑的な....
「「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
に思われる。それでいて彼が決して易きについたのでないことは、彼の全作品にただよう
禁欲主義のにおいと、一作一作が時に即興の色合いをおびながら、実は粒々辛苦の結果で....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
、其所へ逃げて行く事は出来るけれども、又一面より見れば此の宗教という者も、一種の
禁欲主義に外ならないではないか、人間的な生活――此の煩わしい現実の生活から離れて....