禁欲主義[語句情報] » 禁欲主義

「禁欲主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禁欲主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
る。これを読んだ時になるほどと思った。昔から世界のいろいろな人種の間に行なわれた禁欲主義の根本に横たわる一面の真理に触れているとも思った。しかし美しい芸術が人の....
コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
法などに利用されるのではないかと思われる。 酒やコーヒーのようなものはいわゆる禁欲主義者などの目から見れば真に有害無益の長物かもしれない。しかし、芸術でも哲学....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
生活は、急激な反動の連続――極端から極端への飛躍の連続だった。あるいは、非人間的禁欲主義の規矩《きく》に生活を押込もうとした。そしてもはや物を食べず、水を飲み、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
こ》を吸うことができず、女に近づかず、あらゆる情熱を内に蔵しながら、健康のために禁欲主義を事としなければならなかった。 クリストフはエマニュエルを観察しながら....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ティックスを認める者がいる。ジャヴェルもまたそういう意見を多分に持っていた。彼は禁欲主義で、まじめで、厳格であった。憂鬱《ゆううつ》な夢想家であった。狂信家のよ....
だいこん」より 著者:久生十蘭
舎の修道院へ入って板の寝床に寝、高い書見台で、聖書や、ダンテや、スピノザなんかの禁欲主義者の本を読んでいたが、シゴイさんにとっては、国家は聖書で、飛行機はダンテ....
日記」より 著者:宮本百合子
端から極端に至る跳躍であった」と云う文句がある。或時の彼は、非人間的と云うまでの禁欲主義者であり、或時の彼は力を讚美するドンフォアンである。そして両方に於て不幸....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
が、「鼬鼠が卵を吸うように憂欝を吸う」事が好きだからと云って、此の貴族共の知識的禁欲主義を民衆に強いる事は出来ない。腐った木の上に出た大きな苔のような、誘惑的な....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
そんなことより、問題はそんなふうな君の考え方について廻る、なんと言うか、大げさな禁欲主義的な、福音書風な行き方だなあ。女なんて、君が考えているようなもんじゃない....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
に思われる。それでいて彼が決して易きについたのでないことは、彼の全作品にただよう禁欲主義のにおいと、一作一作が時に即興の色合いをおびながら、実は粒々辛苦の結果で....
絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
、其所へ逃げて行く事は出来るけれども、又一面より見れば此の宗教という者も、一種の禁欲主義に外ならないではないか、人間的な生活――此の煩わしい現実の生活から離れて....