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「禁獄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禁獄の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
求した。役場では、その決闘と云うものが正当な決闘であったなら、女房の受ける処分は禁獄に過ぎぬから、別に名誉を損ずるものではないと、説明して聞かせたけれど、女房は....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の世へ病気保養にかたづけられるのがしきたりでありましたが、だから右門は破牢罪人の禁獄中だった平牢へやって行くと、おりよくそこに牢番付きの下男が居合わしたものでし....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
念を晴すことにして居ました。 どんなに兇悪な人間でも、国家の鉄の如き腕に依って禁獄され、不可抗力の死を宣告され、否やでも応でも死に対する覚悟を定めなければなら....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ったためであると言うて、板倉四郎左衛門(後に伊賀守勝重)らに命じ、当時盗罪の罰は禁獄なりしにかかわらず、賭博をなす者は容赦なく捕えて、片端よりこれを死刑に処せし....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
る。『暁鐘新報』は自由党の機関で、前島豊太郎という人を社主としていた。五年|前に禁獄三年、罰金九百円に処せられて、世の耳目を驚した人で、天保六年の生であるから、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
国中第一の長者、第一の遊君の四人と共謀して取ったと答う。王すなわち五人の者どもを禁獄したが容易に裁判済まず。かれこれするうち賊あり、私《ひそ》かに長摩納に向い、....
文学における今日の日本的なるもの」より 著者:宮本百合子
間に亙るところを見ると、実に新聞発行の盛なのと、執筆者たちが刑罰をくって、罰金、禁獄に処せられていることのおびただしいのは誰しもびっくりするであろうと思う。それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らずとも言わず、造船所連は一応マドロスを殿様の面前に引据えてから、窮命の意味か、禁獄のつもりか知らないけれど、そのまま、物置の中へ抛《ほう》り込んで置いて、一同....
十二支考」より 著者:南方熊楠
るならば下劣の鼠すらなお恩は知るものと哀れなり」。 ジスレリの『文海奇観』に、禁獄された人が絃を鼓する事数日にして鼠と蜘蛛《くも》が夥しく出で来り、その人を囲....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
で、番人を殺したのは故殺に過ぎないのですから、死刑にはなりませんでした。何年かの禁獄で、今でも暗いところにはいっているはずです。ダルトンは傷が癒って病院を出ても....
学者安心論」より 著者:福沢諭吉
眼光を掩《おお》われて地位の利害に眩《げん》するものなり。 たとえば新聞記者の禁獄の如し。その罰の当否はしばらく擱《さしお》き、とにかくに日本国において、学者....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
求した。役場では、その決闘というものが正当な決闘であったなら、女房の受ける処分は禁獄に過ぎぬから、別に名誉を損ずるものではないと、説明して聞かせたけれど、女房は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
った。主君の囚われをかなしみ、苦心さんたん、身を塩魚売りにやつして、ついに呉城の禁獄へ忍びこみ、魚の腹に一片の密書をかくして獄へ投げて逃げた。――あとで勾践が魚....
私本太平記」より 著者:吉川英治
生の友ならぬことはあのとき覚られていたはずと思う。……されば、まもなく大塔ノ宮を禁獄しまいらすなどの悪策をもあえて押し進められたのではなかったか。……正成にとり....