禁足[語句情報] » 禁足

「禁足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禁足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
日、田中宇左衛門は、板倉式部の屋敷で、縛り首に処せられた。これは「修理病気に付、禁足申付候様にと屹度《きっと》、板倉佐渡守兼ねて申渡置候処、自身の計らいにて登城....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
考えた上で処分しましょうと云った。ついでだからその結果を云うと、寄宿生は一週間の禁足になった上に、おれの前へ出て謝罪をした。謝罪をしなければその時辞職して帰ると....
俘囚」より 著者:海野十三
とはないというので、記事は禁止で、われわれ行員が全部疑われていたんだ。僕もお蔭で禁足《きんそく》を喰《くら》ったばかりか、とうとう一泊させられてしまった。ひどい....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
告されている。感電事件に居合せた浴客の男達も、陽吉の手当している間に、警官に堅く禁足を命ぜられていた。後から飛び込んで来た近所の連中や通行人さえ、みんな留め置か....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
らしいです。弾丸のあたったのは、矢張り心臓の真上です」 「よし、直ぐゆく。乗客は禁足しといたろうな」 「それが皆、出ちまったのです。あまり早く駅についたものです....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
入れた私達は、人々の波を分けて、再び屋上へ出た。事件のあったためか、一般の外客は禁足してあり、ただ数人の係員が、私達の闖入に対して、好奇の眼を瞠っていたに過ぎな....
自叙伝」より 著者:大杉栄
円を画かせて、厳かに僕に対する懲罰の宣告を下した。罰は、重営倉十日のところ、特に禁足三十日に処すというのだ。 六 僕はこの懲罰がどうしてあんなに僕を打撃....
安重根」より 著者:谷譲次
)貴様ら朝鮮人だろう。出ることならん! 特別列車が通過するまで明日一日この部屋に禁足だ! 待て! 今、一応身体検査をする。 大尉の合図を受けて兵卒たちがのっそり....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の各県では、公娼廃止即ち遊郭廃止が実行されている。前年警視庁では公娼制度に固有な禁足制度を撤廃し、同時に自由廃業の実質的な自由を多少とも尊重する方針を取ったが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
馬の稽古をやめろとて、先生へ断わりの手紙をやった、その上にておれをヒドク叱って、禁足をしろと言いおった、それから当分うちにいたが困ったよ。 十三の年の秋、兄が信....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。軽騎兵第十二大隊の一将校は「僕は共和党だ」と声高に言った。理工科学校の生徒らが禁足の令を破って突然現われた。「理工科学校万歳! 共和万歳!」の叫びがいっせいに....
本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
である。 キチョウメンな呉氏が、約束の時間に現れないから、さてこそ神託によって禁足か。捜索隊が東京、横浜に出動する。徒労。悲報のみ、つゞいて至る。 深夜、十....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
だ。 この日からみだりに戸外へ出ることは禁じられ、ことに湖畔の広場へは、絶対に禁足が守られた。それはまるで冬ごもりのときのように、洞穴深くかくれて、不安の日を....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
なるがために乗客の上陸を禁ぜられ、岸頭にありながら市街に歩を散ずるを得ず。停船中禁足を命ぜられしは、この地を初回とす。当夕降雨あり。メキシコはすべて南米式なり。....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
という。他所にあって考えた時には、雪に閉じ籠められた地方の人々は、定めてその期間禁足の憂き目を味わって、薄暗い家の中にのみ数月間を閉じ籠められているのかと気の毒....