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福
「福〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
れは人生の象徴だ。我々は皆同じように実生活の木馬に乗せられているから、時たま『幸
福』にめぐり遇っても、掴《つか》まえない内にすれ違ってしまう。もし『幸
福』を掴ま....
「影」より 著者:芥川竜之介
ている。その上それが何一つ、彼女が陳と結婚した一年以前と変っていない。こう云う幸
福な周囲を見れば、どんなに気味の悪い幻《まぼろし》も、――いや、しかし怪しい何物....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ても、妻のそれは純粋なのに違いない。――こう信じていた僕は、同時にまた妻自身の幸
福のためにも、彼等の関係に交渉する必要があると信じていたのだ。が、彼等は――少く....
「河童」より 著者:芥川竜之介
童は雄の河童を追いかけますからね。」
「じゃあなたのように暮らしているのは一番幸
福なわけですね。」
するとマッグは椅子《いす》を離れ、僕の両手を握ったまま、た....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ほかの芸者まで一しょになって、お徳のやつをひやかしたんだ。
ところが、お徳こと
福竜のやつが、承知しない。――
福竜がよかったろう。八犬伝の竜の講釈の中に、「優楽....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
はり心の優しい人である。おぎんはこの夫婦と一しょに、牛を追ったり麦を刈ったり、幸
福にその日を送っていた。勿論そう云う暮しの中にも、村人の目に立たない限りは、断食....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
手だった、その上道楽に小説くらいは見る、色の浅黒い好男子なのです。新婚の二人は幸
福に山の手の邸宅に暮している。一しょに音楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は下《しも》に掲げる出来事である。
「二月×日 俺は今日|午休《ひるやす》みに隆
福寺《りゅうふくじ》の古本屋《ふるぼんや》を覗《のぞ》きに行った。古本屋の前の日....
「墓」より 著者:秋田滋
ょうど湯加減のよい浴槽のなかにでも浸っているような、こころよい、しみじみとした幸
福感でありました。 彼女の一挙一動は、わたくしを恍惚とさせました。彼女の声は、....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかなり楽な生活をしていた人で、幸
福であるために必要であるものはすべて具っていたのである。何が氏をしてかかる不幸な....
「初雪」より 著者:秋田滋
を慕って、今よりは少しばかり大きくなった子供を連れて、希望にもえ、愛情に酔い、幸
福にひたった心を抱いて、再びこの地を訪れるであろう。しかるに自分はどうか。名ばか....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
事だから、と答えた。 ファラデーには子供が無かった。しかし、この結婚は非常に幸
福、英国科学奨励会(British Association of the Adv....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
らそれが強くなったことにふしぎはあるまい。ボールタス・ヴァン・タッセル老人は、裕
福な、何ひとつ不足のない、心の大まかな農夫の見ごとな標本だった。じっさい、彼は自....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
口も利けない、その父母をかわるがわるひしとばかり擁き緊めるのだった。 大きな幸
福が訪れて来たことを知って、二人の婦人も泣いていた。 彼等はそれから連れ立って....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
一番貧乏で、一番馬鹿にされて暮した家でしたが、子供を拾ってからは大変|賑やかな幸
福な家になってしまいました。しかし太郎右衛門の家には田畑もないのに、子供が一人|....