福引[語句情報] »
福引
「福引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
へ帰られる日の午前に、僕たちは、僕たちの集めた義捐金の残額を投じて、諸君のために
福引を行うことにした。
景品はその前夜に註文《ちゅうもん》した。当日の朝、僕が....
「門」より 著者:夏目漱石
兄から差上げますとわざわざ断って、坂井の御嬢さんに贈物にした。その代り帰りには、
福引に当った小さな裸人形を同じ袂へ入れて来た。その人形の額が少し欠けて、そこだけ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
がって炭や茶もいる、第一に畳が切れる。まだそのほかに、正月の稽古はじめには余興の
福引などをやる。歌がるたの会をやる。初|午には強飯を食わせる。三月の節句には白酒....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
町内連合の年末大売出しなどというものはない。楽隊で囃し立てるようなこともない。大
福引きで箪笥や座蒲団をくれたり、商品券をくれたりするようなこともない。しかし二十....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に二三服吸いて、耳|傾けつ。山の手ながら松の内の夜は車東西に行き違いて、隣家には
福引きの興やあるらん、若き男女の声しきりにささめきて、おりおりどっと笑う声も手に....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
――女流探偵作家|梅ヶ枝十四子は、先日女学校の同窓会に招ばれていって、一本の
福引を引かされた。それを開いてみると、沂水流の達筆で「鼠の顔」と認めてあった。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
すんでね、市中もこの通りまた別して賑いまさ。 心斎橋筋の大丸なんかでは、景物の
福引に十両二十両という品ものを発奮んで出しますんで、一番引当てよう了簡で、禁厭に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
先生 大日本剣聖国侍無双 金茶金十郎 右晴天十日興行 飛入勝手次第 景品沢山
福引品々 勧進元 みその浦なめ六 後見 壺口小羊軒入道砂翁 木口勘兵衛源丁馬....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
百人以上)三、四百人の番頭、若者、小僧一同に大そうなごちそうが出る。お酒も出る。
福引その他、実に一年中を一日に楽しませるので、近所の子供らも皆女中小僧をつれて遊....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
せった。 それは昭和十四年、お正月、某家に於けるお茶の会の出来事だ。 余興に
福引があった。と、一人の娘がひきあてたクジが「赤城風雨先生」というのである。先生....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いやアね。人の話を半分しか聞かないで……もう行って来ちゃったのよ。」と、圭子は、
福引の一等でも当てたように、得意な表情をした。 「嘘でしょう。いつ? 行く暇なん....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。会社自身が互いの競争意識に引きずられて、一時に多量の仕入れをする者には割戻し、
福引、温泉案内などの景品を付ける。したがって必要以上に多量に仕入れた商品は、それ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
店自身が、日と時とを限って正札の割引をしたり、定価を変更したり、景品を出したり、
福引をしている有様だ。 五十銭の品を三十銭に売って、原価販売と称しているが、三....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
る。電灯戯曲手紙銀行人力車等も近代生活のうみ出した材料である。 (2) (イ)
福引や花瓶の前の知事夫人 静廼女 (ロ)雪道や降誕祭の窓明り 久女 (ハ....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
ろの下駄《げた》や靴の先が並んだ乗客の足元を見ているものもある。何万円とか書いた
福引の広告ももう一向《いっこう》に人の視線を引かぬらしい。婆芸者が土色した薄《う....