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福茶
「福茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
持って行って見た。 とうとう、半蔵は東京で年を越した。一年に一度の餅つき、やれ
福茶だ、小梅だ、ちょろげだと、除夜からして町家は町家らしく、明けては屠蘇を祝え、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
い声して「福はァ内、福はァ内――、鬼はァ外、鬼はァ外――」と豆撒くが聞え出すと、
福茶の煮える香ばしい匂い、通りすがりの人をも襲うて、自ら嗅覚を誘る心地、どこやら....
「金属人間」より 著者:海野十三
かったぞ。エジプト手相よりは、ずっともうかるにちがいない。二十世紀の奇蹟|今様文
福茶釜《いまようぶんぶくちゃがま》――ではない文福釜《ぶんぶくがま》。……文福釜....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
名物の名で、江戸へ繰込ませようという寸法であるとは受取れる。これは茂林寺名物の分
福茶釜《ぶんぶくちゃがま》をかたどったもので、それに毛が生えて、絵本通りの狸に化....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
出ますか代価《だい》は見てのおもどり――ハッ来た、とくりゃあたいしたものだが、文
福茶釜じゃあるめえし、鍋に入れたからって踊りだしゃあしまい。」 藤木さんがそん....
「文福茶がま」より 著者:楠山正雄
せば、だれだっておどろくだろうじゃないか。いったいお前は何だい。」 「わたしは文
福茶がまといって、ほんとうはたぬきの化けた茶がまですよ。じつはある日|野原へ出て....
「回想録」より 著者:高村光太郎
売をして病気の父親を養った。紙を細かく折り畳んだ細工でさまざまな形に変化する「文
福茶釜」とか「河豚の水鉄砲」とか、様々工夫をしたものを売った。そんな商売をするに....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
、永い年月であったわい。 上州は、古くより狸の産地としては、日本随一である。分
福茶釜の茂林寺のことは作り話であろうけれど、茂林寺の近所の邑楽郡地方には、今でも....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
でも、榛名山麓へは、狸が時々散歩に出てきて、失敗を演ずるのである。 四 分
福茶釜の出身地も、榛名山麓である。 上州館林在の茂林寺に、この分
福茶釜が鎮座ま....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
った。 私の故郷上州は、有名な狸の産地である。この事実は、館林の茂林寺にある文
福茶釜の伝説などによったものではなく、前橋市一毛町の毛皮商坂本屋の取扱高の統計に....
「山の人生」より 著者:柳田国男
現に寺にもその貉の書いたものが、二枚も蔵ってあるというのは、すこぶる次に述べる文
福茶釜の話と似ている。 右と同様の話はなおたくさんあるが、今記憶する二つ三つを....