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福草履
「福草履〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
福草履の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
流では万夫不当だということや、利休好みの茶の十徳に同じ色の宗匠頭巾、白の革足袋に
福草履、こういう穏しい風采をして、富士の裾野の三合目辺で陶器を焼きながら稼ぎをす....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ませんが、左様な我儘なお供はござりませんから、權六も袴を付け、大小を差し、紺足袋
福草履でお前駆で見廻って歩きます、お中屋敷は小梅で、此処へお出でのおりも、未だお....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、呼べば応えるほどの対い合った位置にある。午後に、徒士目付の一行は梅屋で出した
福草履にはきかえて、乾いた街道を横ぎって来た。大きな髷のにおい、帯刀の威、袴の摺....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
たれば、練もののみが静まり返って、人形のように美しく且つ凄い。 ただその中を、
福草履ひたひたと地を刻んで、袴の裾を忙しそう。二人三人、世話人が、列の柵|摺れに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れます。御駕籠脇は黒蝋《くろろう》の大小さした揃いの侍が高端折《たかはしおり》に
福草履《ふくぞうり》と、九尺おきに提《さ》げたお小人《こびと》の箱提灯が両側五六....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
飾ってあり、その前に若い娘太夫が、薄紫|熨斗目の振袖で、金糸銀糸の刺繍をした裃、
福草履を穿いたおきまりの姿で、巧みに縄をさばいていた。 「おや、ありゃア源女じゃ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
撃ち――外国人の引幕――風月堂の西洋菓子 新富座見物 左団次の渥美五郎――劇場の
福草履――島原の芝居――劇場外の散歩――「勧進帳」 市川団十郎 団十郎の部屋――....
「春心」より 著者:田中貢太郎
草の間をうねっていたが、それにはかちわたりの石を置いてあった。少女はその石の上を
福草履のような草履で踏んで往った。広巳はうっとりとなって少女に跟いて往った。そこ....
「脚」より 著者:吉川英治
敷でもなし、江戸でもなし、他にあるぞ」 じっと、うごく地面を見た。緋ぢりめん、
福草履、八幡黒の鼻緒、物乞いの黒い足――野良犬、野良犬。――絶えまなく、雑多な人....