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「禿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

禿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
悼《あいとう》の情を表することが出来た。が、今度の本多少佐はただ食堂へ出る度に、禿《は》げ鷹《たか》に似た顔を見かけただけである。のみならず弔辞を作ることには興....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
った。彼は只見すぼらしさの為に彼を生んだ両親を憎んだ。殊に彼よりも背の低い、頭の禿《は》げた父を憎んだ。父は度たび学校の保証人会議に出席した。信輔は彼の友だちの....
」より 著者:芥川竜之介
に動くのを眼の前に見ているのである。弟子の僧は、時々気の毒そうな顔をして、内供の禿《は》げ頭を見下しながら、こんな事を云った。 ――痛うはござらぬかな。医師は....
」より 著者:芥川竜之介
を与えない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。現に僕の左隣りには斑《まだ》らに頭の禿《は》げた老人が一人やはり半月形《はんげつがた》の窓越しに息子《むすこ》らしい....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
数も指を折るほどしか無かったのだと云う。 平吉は、円顔《まるがお》の、頭の少し禿げた、眼尻に小皺《こじわ》のよっている、どこかひょうきんな所のある男で、誰にで....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、急にけたたましい泣き声をあげて、さっき竹馬を持っていた童部《わらべ》が一人、切禿《きりかむろ》の髪を躍らせながら、倒れている鍛冶《かじ》の傍へ、転がるように走....
十円札」より 著者:芥川竜之介
野さんはいつのまにか保吉の目の前へ来ている。来ているのは格別不思議ではない。が、禿《は》げ上《あが》った額《ひたい》にも、近眼鏡《きんがんきょう》を透《す》かし....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ったのは、ほとんど美しいとでも形容したい、光《ひかり》滑々《かつかつ》たる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、種々《しょうしょう》たる胡麻塩《ごましお》の....
老年」より 著者:芥川竜之介
。」などと、話しかけても、「いや、もう、当節はから意気地がなくなりまして。」と、禿頭《はげあたま》をなでながら、小さな体を一層小さくするばかりである。 それで....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
彼をふり返った。長谷川は保吉の後《うし》ろの机に試験の答案を調べかけたなり、額の禿《は》げ上《あが》った顔中に当惑そうな薄笑いを漲《みなぎ》らせていた。 「こり....
将軍」より 著者:芥川竜之介
閑日月《かんじつげつ》は、少将を愛すべき老人にしていた。殊に今夜は和服のせいか、禿《は》げ上《あが》った額のあたりや、肉のたるんだ口のまわりには、一層好人物じみ....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
い?」 「はい、たださっき榕樹《あこう》の梢《こずえ》に、薄赤い煙のたなびいた、禿《は》げ山の姿を眺めただけです。」 「では明日《あす》でもおれと一しょに、頂へ....
手紙」より 著者:芥川竜之介
、輪廓《りんかく》の正しい顔をしています。もう一人の狂人は赤あかと額《ひたい》の禿《は》げ上った四十前後の男です。この男は確か左の腕に松葉の入れ墨をしているとこ....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
う一人はスタアレットと云う亜米利加《アメリカ》人だった。 タウンゼンド氏は頭の禿《は》げた、日本語の旨い好々爺《こうこうや》だった。由来西洋人の教師《きょうし....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
はじめて浦里時次郎を舞台の上に見物した時、僕の恋愛を感じたものは浦里よりもむしろ禿だった。)この寺は――慈眼寺という日蓮宗の寺は、震災よりも何年か前に染井の墓地....