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禿び
「禿び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
禿びの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
小舎のわきに、小さな木祠が祀ってあって、扉を開けて見ると、穂高神社奉遷座云々と、
禿び筆で書いた木札などが、散乱している。 唐檜や落葉松が、しんしんと立てこんで....
「馬の顔」より 著者:田中貢太郎
もたしかにまちがっていないうえに、その十字路を学校の崖下の方へすこし往って、枝の
禿びた接骨気の木を目あてにしてその傍からおりていることもたしかに判っているので、....
「春心」より 著者:田中貢太郎
みた。 「はい」 少女は紫の矢絣の袂をひるがえして前に立って往った。門の中には
禿びて枝の踊っているような松の老木があり、椿の木があり、嫩葉の間から実の覗いてい....
「放生津物語」より 著者:田中貢太郎
一 越中の放生津の町中に在る松や榎の飛び飛びに生えた草原は、町の小供の遊び場所であった。その草原の中央の枝の
禿びた榎の古木のしたに、お諏訪様と呼ばれている蟇の蹲まったような小さな祠があった....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の姉が福富さんの家に奉公して居たこともあるが、尊名は初めてだと、飛白の筒袖羽織、
禿びた薩摩下駄、鬚髯もじゃ/\の彼が風采と、煤竹色の被布を着て痛そうに靴を穿いて....