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私刑
「私刑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私刑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
酷《ざんこく》を咎《とが》めるのに違いない。が、鼻を削《そ》ぎ落すのはチベットの
私刑の一つである。(たとえば文明国の新聞攻撃のように。)第三の夫の仏画師は、ただ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
一面は明らかに醜聞を起し得る才能である。
輿論
輿論《よろん》は常に
私刑であり、
私刑は又常に娯楽である。たといピストルを用うる代りに新聞の記事を用い....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
活字の号外さえ発行したところもある。治安警察は私に精神病病院の収容自動車を送り、
私刑を行なわんとてひしめく群衆を制するために、その沿道に二個師団の兵士と三千人の....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
知っていた。そこでも社員のリンチが行われた。兵士達はそれを見た。そして、そういう
私刑をやるのなら、工場の守備は御免を蒙る、と云い出した。 その蛋粉工場の中隊は....
「縮図」より 著者:徳田秋声
えが生半可に本なぞ読むのは、この道場の禁物であり、ひところ流行った救世軍の、あの
私刑にも似た暴挙が、業者に恐慌を来たしていた時代には、うっかり新聞も抱えの目先へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
恩に着ているのであった。人の過《あやま》ちは七度《ななたび》これを許せと、多数の
私刑者の中に絶叫して歩いたのは、竜之助の言う通り、安房の国から出た弁信という口の....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
われわれにとっては悪い奴でしたが、永く某国で働いていた機械工だそうです。顔子狗を
私刑したことから、はからずも一件の仕掛がばれて、彼の運命が尽きてしまったというわ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
爆撃も無力。鎮圧の見込全然なし” “怪犯人の容疑者たるルス嬢とベラント氏は昨夜|
私刑さる” 鉛華女が、無線電話のかかって来たのを金博士に伝えたので、博士は新聞....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のゆかねばならぬことで、ここに二人の男女が道ならぬ行いをして、大勢のために極端な
私刑を加えられようとしているところに紛《まぎ》れもありません。 「もし、皆さん、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ルーヴェールが殺されたのも、かかる即席裁判によってだった。実に狂猛なるリンチ法(
私刑の法)であって、それについてはいずれの党派も他を非難する権利を有しない。なぜ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
。巡査が保護してくれなかったら、かれらはひどい大罪人でもあるように、わたしたちを
私刑に行なったかもしれなかった。 役場を預かっている人で、典獄(刑務所の役人)....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ら外へは出られなかった。出たが最後に二人ながら、兇暴になっている郷民達のために、
私刑にされるに相違ないのであるから。 「そう、とうてい今のところ、外へ出ては行か....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の女按摩となり、最後に折助の嬶となって亭主と馴れ合いに賊を働く夜鷹となり、牛裂の
私刑に波瀾の多い一生の幕を閉ずる一種の変態性格である。これだけでも一部の小説とす....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る制裁はかなり峻烈に行われたものであった。前記加賀の浮浪人の長が、廻国の修行者に
私刑を加えたとあるのはその一例である。また彼らは、仲間同士の階級意識もかなり濃厚....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
愛を教えるクリスト教徒の間において、今に彼らをはなはだしく排斥し、往々残忍無道の
私刑までが行われても、どうすることもできない状態にあるではありませんか。これはあ....