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私娼
「私娼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
私娼の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
マゾフですか? マゾフと云うやつは莫迦《ばか》ですよ。何しろ政府は国防計画よりも
私娼保護《ししょうほご》に金を出せと熱心に主張したそうですからね。」
マゾフの....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
起き上って、 「――わてを誰や思ってンにヤ……?」 仏壇お春のあだ名を持った、
私娼生活二十年という女だった。 今はどうサバを読もうと思っても、四十以下には言....
「世相」より 著者:織田作之助
分もその廓の中の牛太郎になり、女が料理屋の仲居になれば、自分も板場人になり、女が
私娼になれば町角で客の袖を引く見張りをし、女が十銭芸者になればバタ屋になって女の....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
に酒を呑ましてくれたり、飯を食わしてくれたり、小遣い銭をくれたりしたのは、やはり
私娼やバク徒やその他異体の知れぬ人達であったのだ。僕の親類にも岩崎家に関係があっ....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
するが、この半平は元来、貞操堅固の男だったのを友人達が引っ張り出して、東都名物の
私娼窟《ししょうくつ》玉《たま》の井《い》へ連れていったのだった。これは友人にも....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、この踊子の屋敷方はいうに及ばず、いずれへも出入法度たるべく取締られたのは、全く
私娼を営んで、風俗を紊乱したからで、して見ると落語家のいい草じゃないが、女ならで....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
里見家の旧家臣里見一刀(今は桑名の網元の水夫)、吉田家の浪人仙石定邦(今は車町の
私娼宿の主人) 三 ざっとこういう輩なのだ。取り潰された大名達....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
ように云う人間もあった。 さて僕だが上海へ帰るや、例によって例の如く、鴉片窟や
私娼窟へ入り浸って、その日その日をくらしたものさ。 そこで君は不思議に思うだろ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、一人の女がありました事を。……それが妾なのでございますよ」
「ああそれではあの
私娼か!」山県紋也は思い出した。いかさまそういう女があった。が、紋也には合点がい....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
払ふ必要がないといふ論者が可なりに多い。誠にそのとほりである。市内に於けるいはゞ
私娼、乃至みづてん芸者の跋扈は恐ろしいもので、筆者の手許には、相当の材料も集つて....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ばかり動かしてもよいなと考えたことを告白しなければならない。 そこに集っている
私娼達が、いずれも揃いも揃ってタオルを持っていることに留意していただこう。そうし....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
も、それほど愚かではない。しかし、百円から三百円ぐらいの金で、一人の娘が、或いは
私娼に、或いは公娼に売られて行く例はザラにあるのであった。私はその実例を、蟹田村....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
路次の中へ往った。路次の中へ路次が通じて迷図のように紛糾した処には、一二年前まで
私娼のいた竹格子の附いた小家が雑然と簷を並べていたが、今は皆禁止せられて、僅かに....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
いるのは有田ドラックや愛聖館の並んだせせこましいなりににぎやかな往来である。近頃
私娼の多いとかいうのも恐らくはこの往来の裏あたりであろう。僕は浅草千束町にまだ私....