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「私室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
い。わたしは今ちょっと」 と船医は姿を見せずに答えた。 「こりゃいったい船医の私室《プライベート》なんですが、あなたのためにお明け申すっていってくれたもんです....
愛撫」より 著者:梶井基次郎
は信じて疑わないのである。 ある日私は奇妙な夢を見た。 X――という女の人の私室である。この女の人は平常可愛い猫を飼っていて、私が行くと、抱いていた胸から、....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
言った十九時過ぎのことだった。アリシア区の男学員ペンとアリシロの靴男工ポールとが私室において壺の中の蜜をなめながら話に夢中になっていた。 「ええおい、まったくこ....
人間灰」より 著者:海野十三
も検べた。倉庫や事務室もみた。一番よく検べたものは、赤沢博士の自室と、青谷技師の私室と、それから特別研究室の札の懸っている稍複雑した部屋だった。特別研究室は博士....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
と思われるころ、執事を呼ぶベルの音が階下に鳴りひびいたのでした。 執事の勝見は私室から飛び出すと、階上の兄の室を指して、駆け出しました。何故彼がもっと前に、二....
海底都市」より 著者:海野十三
奥の方へ行くと、タクマ少年は一つの扉の前に足をとどめた。扉には、「教室カビ博士|私室《ししつ》」という名札がかかっていた。 と、いきなりその扉が動き出したと思....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
置きましょう」 フランケは好意に充ちた顔付で、そういった。 「われわれのための私室はあるのでしょうか」 ベランが訊いた。 「それは大丈夫です。狭いながら、ち....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
焼した顔は、赤銅色だ。彼は歩きながら、エヘンと咳払をした。 士官は、ある一つの私室の前で足をとめた。そして大きな拳固をふりあげて、こつこつと案外やさしく扉を叩....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
てくれ、二カ所の広い土地は彼女の従兄弟のワトソンに与えてくれ、金貨の財布は彼女の私室にあるということを書き送ってくれと言った。 話がだんだんに怪しくなってきた....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ドアがございます。その右のドアの奥は、伯爵夫人がかつておはいりになったことのない私室になっておりますが、左のドアをおあけになると廊下がありまして、さらに螺旋形の....
貞操問答」より 著者:菊池寛
行き届いているとは思っていなかった。 階下を見て驚き、二階へ上ってみて、新子の私室らしい小部屋を見て、驚いた。 すべては、小ぢんまりとしていたが、季節の飯蛸....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
常に敬虔な態度で語ったのを記憶している。しかし今の私は、彼から眼を離すまい。その私室へ闖入することは出来ないにしても、少なくとも彼が甲板にある限りは、私もかなら....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
水が不思議な台詞を口にした事であった。 その第三幕第四場――王妃ガートルードの私室だけは、ほぼ沙翁の原作と同一であり、ハムレットは母の不貞を責め、やはり侍従長....
判決」より 著者:カフカフランツ
すばらしく美しい春の、ある日曜日の午前のことだった。若い商人のゲオルク・ベンデマンは二階にある彼の私室に坐っていた。その家は、ほとんど高さと壁の色とだけしかちがわず、川に沿って長....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
べきニュースを報告した。侍史は平静だった。彼はなにもしなかった。――ときに階下の私室でお化粧中の女王にも伝えなかった。――セシルは椅子のなかで、静かに待った。十....