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「私用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

私用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
ゃ難有《ありがと》う。――で、初子さんはいつ行って見ます?」 「いつでも。どうせ私用のない体なんですもの。野村さんの御都合で極《き》めて頂けば好いわ。」 「僕が....
婦系図」より 著者:泉鏡花
田礼之進。 「唯今は御使で、特にお車をお遣わしで恐縮にごわります。実はな、ちょと私用で外出をいたしおりましたが、俗にかの、虫が知らせるとか申すような儀で、何か、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は随分なっている筈だ。あの時だってお前の人格を私は思うたが為、殊更私はお前の家に私用名刺を通じていたではないか。それにも拘わらずお前が逃げたために、私は署長さん....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
少からず怯かされた。が、乗りかかった船で、一台|大に驕った。――主人が沼津の町へ私用がある。――そこで同車で乗出した。 大仁の町を過ぎて、三福、田京、守木、宗....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ンプルのコストをタイプで幾部も打ちこんだり、又、秘書の老嬢は、要領よく社長の車を私用に使ったり、重役は、昔からの習慣で、もみ手とぺこぺこ腰をさげることを誰に対し....
耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
かな』 芳一は言い※れるように返事をした―― 『和尚様、御免下さいまし! 少々私用が御座いまして、他の時刻にその事を処置する事が出来ませんでしたので』 住職....
中庸」より 著者:坂口安吾
結構であるが、それでは何故に彼らの私宅を開放して収容しないのであるか。村の公器を私用に供するとは奇怪なる汚職事件である」 根作はこう断じて見栄をきった。農民は....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
るはずだから、それを探せば山小屋へ行けると気がついたが、この対岸の小径は彼だけの私用の径で、木コリも通らず、一年半も留守にしているから、径の姿を失っていたのであ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
ますよ。……旦那、やり口があくどいようで。妹にだって用事はありましょうよ。その、私用という奴がね。……何の包物だか存じませんが、何か妹に思わくがあって、どこかへ....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
る深夜に何用でござる」門の内から声がした。 「曲淵甲斐守の使者でござる。ただし、私用、潜戸を開けられい」 で、潜戸がギーと開いた。それを潜って玄関へかかった。....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
こう云いながら手を振ったのは、桃ノ井|紋哉という若い武士であった。 「幸蔵主殿は私用とのことで、何も恐れるには及ばない。それに我君と幸蔵主殿とは、幼少の頃からの....
露の答」より 著者:坂口安吾
度はそれを抱え去って風呂の火をたきつけています。之が当主の太郎丸氏でした。当主は私用専断によって下男を数日の旅行にだした、あなたが勝手にしたことですからお風呂は....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
感を与えるように意味を切り換えておく方が便利だ。 言葉というものは個人が特殊に私用することができるものであるから、自分の独特の意味や慣用をつくっておくと便利な....
審判」より 著者:カフカフランツ
ほうもまた閉じた扉の向うでそうきいているように思われた――勤勉なKとしたことが、私用でいちばん大切な執務時間を空費したのだろうか? これまでのことに疲れ、また疲....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
これは無制限で何程でも入用だけ支出しなければならん。とはいうもののむやみに法王の私用に使うということはなく大凡のきまりはあるそうです。しかし今度の法王になってか....