秋天[語句情報] » 秋天

「秋天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秋天の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
り風死す、冷霧寒露、虫声しげし、天地の心なお目さめぬがごとし」 同二十一日――「秋天|拭《ぬぐ》うがごとし、木葉火のごとくかがやく」 十月十九日――「月明らかに....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ずは頂上と思われるあたりまで登りつくと、なるほど富士は西の空にはっきりと見えた。秋天片雲無きの口にここへ来たのは没怪の幸いであった。帰りは下り坂を面白半分に駈け....
李陵」より 著者:中島敦
イライラしてくると、いつも独り駿馬《しゅんめ》を駆って曠野《こうや》に飛び出す。秋天一碧《しゅうてんいっぺき》の下、※々《かつかつ》と蹄《ひづめ》の音を響かせて....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
飛び出して来た。信濃の秋は寒いというに腰に毛皮を纏ったばかり、陽焼けて赤い筋肉を秋天の下に露出させ自然に延ばしたおどろの髪を房々と長く肩に垂れ、右手に握ったは山....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
あとを、何心なく覗き込み、細かい繊維の網から出来上った長い長い空洞が、おりからの秋天の如く無一物なのに驚いて、声を放って哄笑するのも、時にとっての一興である。 ....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
都市は入江の奥に 橋を爪立たせてひそまる 夕昏れる住居の稀薄のなかに 時を喪った秋天のかけらを崩して 河流は 背中をそそけだてる 失われた山脈は みなかみに雪を....
源氏物語」より 著者:紫式部
のある植え込みを薫はながめていた。何も皆身にしむように思われる薫は、「就中断腸是秋天」と低い声で口ずさんでいた。先刻の人らしい衣擦れの音がして、中央の室から抜け....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
ずは頂上と思われるあたりまで登りつくと、なるほど富士は西の空にはっきりと見えた。秋天片雲無きの日にここへ来たのは没怪の幸であった。帰りは下り阪を面白半分に駈け降....
三国志」より 著者:吉川英治
扉は、かたく閉められてしまった。夜が更けると、ただ一つの高い窓から、今夜も銀河の秋天が冴えて見える。けれどとうてい、そこからのがれ出る工夫はない。 どこかで、....
三国志」より 著者:吉川英治
て、もちろん曹操は予州の劉備玄徳へも、徐州の呂布へも、参戦の誘文を発しておいた。秋天将にたかし。 われ淮水に向って南下す。 乞う途上に会同せられよ。 檄によっ....
三国志」より 著者:吉川英治
の数万にのぼった。文官軍吏の賓客、みな盛装をこらし、礼館の式場を中心に、宛として秋天の星の如く埋まった。 喨々たる奏楽裡、玄徳は国主の代理として、館中の主座に....
三国志」より 著者:吉川英治
中の清浄、壇の供えは、人手をかりることはできない。予自ら勤めるであろう。そして、秋天の北斗を祭るが、もし七日のあいだ、主燈が消えなかったら、わが寿命は今からまた....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
するような馬の嘶きが聞えることもある。草刈が曳き後れた馬の嘶きである。時とすると秋天の変り易い天候が忽ちの間に四辺をかき曇らせ、見る見る霧のような小雨を運んで来....