秋波[語句情報] » 秋波

「秋波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秋波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
《きたむらしかい》君の彫刻の女が御隣に控えたベエトオフェンへ滴《したた》るごとき秋波《しゅうは》を送っている。但しこのベエトオフェンは、ただお君さんがベエトオフ....
競馬」より 著者:織田作之助
ん》してくれと言う。隣《となり》のボックスにいる撮影所の助監督《じょかんとく》に秋波を送りながら、いい加減に聴き流していたが、それから一週間毎夜同じ言葉をくりか....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ハラハラしたが、蝶子は昔とった杵柄《きねづか》で、そんな客をうまくさばくのに別に秋波をつかったりする必要もなかった。廓をひかえて夜更《おそ》くまで客があり、看板....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、なるべく薄着の水じたくをご用意しながら向島の水神へお越しめされい。少々ぐらいは秋波《ながしめ》なりとそれなる兄弟にお与えなさって、巧みに誘い出さるがよろしゅう....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
容赦せず、と宣した。 その放送より私の受けとったものは、デーニッツ氏の米英への秋波である。 かねてドイツ海軍内部には、反抗等の暴動ありと伝えられている。その....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
層、おめかしだね。」 「ふむ。」 と笑い捨てて少年は乱暴に二階に上るを、お貞は秋波もて追懸けつつ、 「芳ちゃん!」 「何?」 と顧みたり。 「まあ、ここへ来....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
と猫が横ぎり、もう一匹よこぎり、二階ではきのうの女が編物をつづけ、それへ向日葵が秋波を送り、退屈し切った麦の穂が――ユウトラクトの停車場で、ハンブルグ行きの汽車....
阿英」より 著者:田中貢太郎
残念がった。 ある日|※の方を見てにっと笑って、何かいいたそうにしたが、やがて秋波をして四辺を見た後にいった。 「あなたは、甘家の弟さんですね。」 ※は言っ....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
細木永之丞のことも沖田総司のことも念頭に無いらしく、群集の中の若い男へ、万遍なく秋波を送っていた。しかしその時、背後から 「こいつがお力だ」 という聞覚えのあ....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
山岸の方はどうだか知らないが、伊佐子さんがとにかく彼に接近したがって、いわゆる秋波を送っているらしいのは、他の止宿人もみな認めているのでした。堀川の家では、伊....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
かしさとかがやかしさとで、どんなに月は下界の美貌に恍惚とするだろう。そして、月の秋波があの絶壁の上の音楽堂に注がれた時、どんなにあの白い建築が、方解石のように美....
活人形」より 著者:泉鏡花
いて導けば、怪しき婦人は逆らわず、素直に夫婦に従いて、さもその情を謝するがごとく秋波斜めに泰助を見返り見返り、蹌踉として出行きぬ。 面にべったり蜘蛛の巣を撫払....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
っとした色っぽい身ぶりの下に巧みに陰蔽しながら、ロオペ事件というもう一つの悲劇に秋波を送っていることに注目するのも、はなはだ興味の深いことであろう、「えっ」とポ....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
であろうか、ぼくが照れてしまうほどいそいそとぼくの機嫌をとり、ぼくに意味あり気な秋波を送っている様に見えた。それは轡川の眼に余るほどだとぼくは思ったが、しかし轡....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に民主主義という英、米は全体主義の中国を味方に編入し、殊に全体主義の最先鋒ソ連に秋波を送りつつある。主義よりもむしろ利害関係ないし地理的関係が主である。しかし文....