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秘する
「秘する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秘するの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
はインスピレーションを得るために毎日渋柿を十二個ずつ食った。これは渋柿を食えば便
秘する、便秘すれば逆上は必ず起るという理論から来たものだ。またある人はかん徳利を....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
過ぎぬのでしょう、偶然に名乗った姓名が殺人女と暗号したか、或いは自分の本姓本名を
秘する為に殊更に世に知られた殺人女の名を用いたのか其の点は貴方に分りますまい」
....
「不審庵」より 著者:太宰治
申候ところ、卒然としてその奥義を察知するにいたり、このよろこびをわれ一人の胸底に
秘するも益なく惜しき事に御座候えば、明後日午後二時を期して老生日頃|昵懇の若き朋....
「安重根」より 著者:谷譲次
同じゅうして来遊の噂ある伊藤公爵とわが蔵相との会見は、なんらか他に重大なる使命を
秘するもののごとく想像に難からずと、某消息通は語れり。」――まだある。この後が大....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
実隆のもとへ送り届けた。実隆これを記して、「誠にもって道の冥加なり、もっとも深く
秘するところなり」といっている。 宗祇と実隆との歌道の因縁上述のごとくであるか....
「役人学三則」より 著者:末弘厳太郎
らず例えば、ある一省がそれに関する準備事務を進めると、あたかも敵国に対して軍機を
秘すると同じような態度で、調査資料を秘密にするようなことをする。われわれ国民の目....
「魔都」より 著者:久生十蘭
てどういう処置をとるつもりだろうと案じているうちに、その後の電話で、この事件は内
秘することに方針をきめ、すでにかくかくの手段を講じたということを聞いたのでようや....
「日記」より 著者:宮本百合子
寸恋心を誘われて、これにまけ、終には親に自分の恋を包むように、良人にも自分の恋を
秘するのではないだろうか。結婚したて、永年共棲した人がどうして其那ことが出来るか....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
のだと誤解せられるような事は、出来得るかぎり之を避けたいと思った。それには身分を
秘するより外はない。 こんな処へ来る人ではないと言われた事については既に実例が....