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秘境
「秘境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秘境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
たのではないかと、推察する。ラジウム、含有瀝青土《ピッチブレンド》※――私は、神
秘境「|天母生上の雲湖《ハーモ・サムバ・チョウ》」を大富源としても考えている。
....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
数秒間さえなければ、かの怪奇の点では奥アマゾンを凌ぐといわれる、水棲人のすむあの
秘境へはゆかなかったろうに。|Esteros de Patino―すなわち「パチ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
でのような自動車旅行ではなく、謎と臆測と暗黒のうちにうずもれている、前人未踏の神
秘境を指しているのだ。 では、どこか? そんな土地がまだこの地球上にあるのかと....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ぐように、厳かに尊げに聞こえて来る。 ここはいったいどこだろう? 富士教団神
秘境! 土屋右衛門はご前へ出ると恐る恐る言上した。 「土屋庄三郎事一昨夜家出致....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ニスタン領が伸びている。してみると、いま独逸航空会社が純学術的探検の名目で、この
秘境を暴露しようというのが、黙過されるだろうか。ソ連には、ここが明かになれば対印....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
い秘められた宝庫だ。のみならず、船長畑中利平、通辞今村善光らの手記によれば、この
秘境は今日真珠の産地たるスールー海のどの地点でもなく、ボルネオの無人の陸地に沿う....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
たが、そこで一旦地上へ下り、さらに虚空を斜めに飛び窟の中へ飛び込んだ。 この神
秘境へ来たのである。 活ける剣は窟の中で壺皇子を人知れず養育した。皇子の寂寥を....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
うな色が泛び上がってきた。 「ねえ支倉君、僕がもし、ボードレールほどに、交感の神
秘境に達しているのだったら、この涙の匂いで、ウルリーケをいったいなんと唱うだろう....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
はほとんど間断なく空砲を空に向けて撃っている。その陰森たる大砲の音は人跡未踏の神
秘境のあらゆる物に反響して木精となって返って来る。 こうして私達の革船が岸から....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
しないで働いたものと解釈してよかろう。
昭和四年の今日においても、京丸という神
秘境は、名はあるがあり場所はわからない。
しかし今日も時あって、ぼたんの花の咲....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
り人家がありますが、当時は海に面した嶮しい谷で、その谷には人が踏み入ることがない
秘境であったのかも知れない。この辺一帯は、今でも「金鍔」と土地の人々は申していま....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
の奥。あたりは一面の孟宗竹が無限に林立し、夕陽が竹の緑に反映して、異様に美しい神
秘境を醸し出している。あたりの空気は淀んだように寂然としている。中央に小さな空地....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
という、その時代としては珍らしい計画が立てられた。 その最終の目的地点は東北の
秘境、本朝の桃源にも比べられている三面谷であった。 三面谷は越後の村上領では有....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
土をふみ、あるいは酷寒水銀をくさらす極氷の高原をゆくうちに、知らず知らず踏破した
秘境魔境のかずかず。その、わが折竹の大奇談の秘庫へ、いよいよこれから分け入ってゆ....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
落ち行く先は大抵黒部ときまっていた。そして探検の度毎に同君の齎し帰る新しい黒部の
秘境に聞き入りつつ私の心は躍った。しかし冠君のように時の自由を持たない私は、残念....