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「秘薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

秘薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:海野十三
貼ってあり、もう一つには青いレッテルが貼ってあった。この壜の中には、極めて貴重な秘薬が入っているのだった。赤レッテルの方には生長液が入って居り、青レッテルの方に....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
村のある場所にあらわれたという急報に接して、今更にわかにおとし穴を作ったり、例の秘薬を焼いたりしているような余裕のない場合にはどうするかというと、彼は一挺の手斧....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
で大事なはずである。 スポーツのアヘン性がこういう風に社会自身による思想対策の秘薬となったばかりではなく、財団による営業諸大学は、スポーツのこの社会的アヘン性....
光と風と夢」より 著者:中島敦
の街に住んでいる。) ラファエレが「狂人の工合は大変悪いから、自分の家の家伝の秘薬を持って来よう」と言って、出て行った。やがて、見慣れぬ木の葉を数枚持って来、....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
むというのさ。おれが、実地をためしているのだから、間違いはねえのだ」 そうした秘薬を、何のつもりで与えようとするのだろう? ――雪之丞は、何となく、もうとっく....
古き小画」より 著者:宮本百合子
を擡げると同時に口を切った。 「王、唐突な願いですが、何卒御所持の、あの血どめの秘薬を、御恵み下さい。只今ギーウに願わせましたが、御理解なかったと見え、御仁慈に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
か、実は人の命をちぢめる大毒薬で、何かの復讐などを企てるものは、大金を与えてその秘薬を買った。現に或る家では来客にその薬をすすめようとして、誤まって嫁の舅に食わ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くるり、くるりとひるがえすように飛ぶ音をきき乍ら、ああいう若い人に一粒ずつ不老の秘薬のようにこの「恒ある心」の丸薬をわけてやりたいようです。この波濤に処するのに....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
もらいたいのだよ。そのおまえさんのもっているいちばんいいものを、わたしのだいじな秘薬とひきかえにしようというのさ。なにしろそのくすりには、わたしだって、じぶんの....
幻覚記」より 著者:豊島与志雄
ている父のために、薬を買いに行くのである。四里ほどはなれた或る町に、肺病に特効の秘薬があって、その薬をのめば、体内の病毒悪血を忽ちに排出してしまうのだ。然し父は....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
く薬であると喚《わめ》きたて、他のエリキシルをみなけなしつけていた。しかし彼らの秘薬はみな同じようなものだった。それらの薬売りのだれも新しい処方を見出そうと骨折....
勉強記」より 著者:坂口安吾
であった。 その昔、泉州堺の町に、表徳号を社楽斎という俳人があった。仙人になる秘薬の伝授を受け、半年もかかって丸薬をねりあげて、朝晩これを飲んだあげく、もうそ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
取ってくれたか」と老翁は大喜び。 「百の数が揃いましたら、その代り霧隠れ雲隠れの秘薬の製法、御伝授下さりましょうなァ」 「や、人まで殺した執心に感じて、百までに....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
ざいますが、私達の仲間の古老からみな教わったのでございますが、食忌みをして、ある秘薬を三年の間|服みつづけまして、それから又暗闇の中で眼を光らかす修業を二三年致....
小説 円朝」より 著者:正岡容
心持は。 絶えて久しい心のふるさと寄席への郷愁――全身全魂が、まるで南蛮渡りの秘薬の匂いでも嗅がされたよう、うれしく、悲しく、ただぼんやりと憑かれたように媚《....