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秘計
「秘計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
秘計の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一同は阿呆のような顔になって、立ち竦んでしまった。その湯滝の蔭に、たといいかなる
秘計が隠されていようと、それはこの場合問題ではない。また、幻想を現実に強いようと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
囲の天地を驚かさないようにして、なるべく最少の動揺を以て彼等|鏖殺《おうさつ》の
秘計を胸に秘めつつ、事もなげに伊東へ使をやって、 「君等の隊と我々の隊との間に、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、僕はまずそれで参ったよ。さて、通されて密談ということになって、三位から討幕の
秘計を諄々《じゅんじゅん》と聞かされてみると、今度はその内容に於て、実際恐れ入っ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
なきにおいてはもっとも、こいねがわざるか」とこぼしている。その他の公卿日記にも、
秘計をやることがしばしば見えているが、
秘計とは金策をするという義なのだ。先ず食物....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
え奴だ」 「いえ」 サルトルはニコヤカに笑みをたたえているだけである。いかなる
秘計をうちあけたか、わからない。 日の暮方、サルトルは雲隠才蔵をよびだして、 ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
やくざ共に、口を裂かれても、計が漏らせるか? 同志とはいい条、この大勢の面々に、
秘計を語る如き輩で、大事が成せるか? 名越殿にも申せ、かような、徒《いたず》らに....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
な怨望より生ずるものにて、その内形に見《あら》わるるところは、私語、密話、内談、
秘計、その外形に破裂するところは、徒党、暗殺、一揆、内乱、秋毫《しゅうごう》も国....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
であったが、それが基衡の依頼であることを知るに及んで強いてこれを取り返し、いかに
秘計をめぐらすもついにこれに応じなかったというところに、忠通の剛直が窺われるとと....
「三国志」より 著者:吉川英治
陳矯が、 「ああ、まさにわが計略は図にあたった。――曹丞相が書きのこされた巻中の
秘計は神に通ずるものであった!」と、感嘆の声を放ちながら、かたわらの狼煙筒へ火を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
う。その機会がいままさに来たのだ。 かねがね、父皇の後醍醐と両親王の間には、ご
秘計が交わされている。――何ぞやといえば、みかどの御動座を仰ぐことだ。この叡山の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
がち宮廷の周囲とだけはかぎるまい。卑劣な武士、抜け目ない田舎武族までが、 内密の
秘計によつて 昨日までは朝敵でありつる身も また、さらに忠なき輩も 五ヶ所、十所....