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称
「称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
って、艶物《つやもの》を書いてお目にかける手間取《てまと》りだ。」――こう春水が
称しているという噂は、馬琴もつとに聞いていたところである。だから、もちろん彼はこ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
や》かずにはいられませんでした。あいつと云うのは別人でもない、三浦の細君の従弟と
称する、あの色の浅黒い縞の背広だったのです。ですから私は雨の脚を俥の幌に弾《はじ....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
上に、容貌《ようぼう》もまた美しい。何でも奇俊《きしゅん》王家郎《おうかろう》と
称されたと云うから、その風采《ふうさい》想うべしである。しかも年は二十《はたち》....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
か噂のある抱一《ほういつ》の三味線の話などをしていた。
そこへまた筋肉労働者と
称する昨日《きのう》の青年も面会に来た。青年は玄関に立ったまま、昨日貰った二冊の....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
利耶観音《マリヤかんのん》を卓子《テーブル》の上へ載せて見せた。
麻利耶観音と
称するのは、切支丹宗門《きりしたんしゅうもん》禁制時代の天主教徒《てんしゅきょう....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
奸智《かんち》に富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみだ》と
称する仏の道を説いた。その後《ご》また日本の国へも、やはり同じ道を教《おしえ》に....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
た、頬鬚《ほおひげ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と
称《とな》える僧衣らしい。そう云えば「こんたつ」と
称《とな》える念珠《ねんじゅ》....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ら、蟹の猿を殺したのは復讐《ふくしゅう》の意志に出《で》たものである、復讐は善と
称し難いと云った。それから社会主義の某首領は蟹は柿とか握り飯とか云う私有財産を難....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
に「さまよえる猶太人」が出て来たように記憶する。最近では、フィオナ・マクレオドと
称したウイリアム・シャアプが、これを材料にして、何とか云う短篇を書いた。
では....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
美よりも重大なものであった。彼の爾後の作家生涯は、その善を探求すべき労作だったと
称しても好い。この道徳的意識に根ざした、リアリスティックな小説や戯曲、――現代は....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
たる風采と江戸っ児たる気質とは略一途に出ずるものの如し。就中後天的にも江戸っ児の
称を曠うせざるものを我久保田万太郎君と為す。少くとも「のて」の臭味を帯びず、「ま....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
兼ぬ。「田園の憂欝」の如き、「お絹とその兄弟」の如き、皆然らざるはあらず。これを
称して当代の珍と云う、敢て首肯せざるものは皆偏に南瓜を愛するの徒か。....
「初雪」より 著者:秋田滋
。そして、良人にたいしては、使おうなどとは思ってもみなかったような、さまざまな愛
称をその犬につけてやったりした。 良人は彼女に猟のはなしをして聞かせた。それが....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
る気を自ら皷舞して活発に働きしゆえ、大いに一同に愛敬せられ、思いの外の学者なりと
称えられたり。 月日の経つは活字を拾うより速かに、器械の廻るより早し。その年の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
り出版された。 ファラデーの名声が高くなるにつれて、諸方の学会や大学から名誉の
称号。その中にはオックスフォード大学の D.C.L. とキャンブリッジ大学の L....