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「称え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

称えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
いました。また利休居士《りきゅうこじ》の珍重《ちんちょう》していた「赤がしら」と称える水さしも、それを贈った連歌師《れんがし》の本名《ほんみょう》は、甚内《じん....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
顔を指さしますと、 「さかしらは御無用じゃよ。それよりは十念《じゅうねん》なと御称え申されい。」と、嘲笑《あざわら》うような声で申したそうでございます。 が、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
気を揉んで、手を振って圧えた処へ、盤台を肩にぬいと立った魚屋は、渾名を(め組)と称える、名代の芝ッ児。 半纏は薄汚れ、腹掛の色が褪せ、三尺が捻じくれて、股引は....
クララの出家」より 著者:有島武郎
像が奥深くすえられてあった。それを見るとクララは咽せ入りながら「アーメン」と心に称えて十字を切った。何んという貧しさ。そして何んという慈愛。 祭壇を見るとクラ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のだと主張したプロディコス(Prodikos)は処刑された。――自由の本場として称えられてきたアテンがこういう有様であったのである。当時のアテン人の間には奴隷使....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
は、白衣に緋の襲した女子を馬に乗せて、黒髪を槍尖で縫ったのは、かの国で引廻しとか称えた罪人の姿に似ている、私の手許に迎入るるものを、不祥じゃ、忌わしいと言うので....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
る処に、耳はねえが、あのトランプのハアト形に頭を押立った梟ヶ|嶽、梟、梟と一口に称えて、何嶽と言うほどじゃねえ、丘が一座、その頂辺に、天狗の撞木杖といった形に見....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
どうでもいい。このあたりこそ、明治時代文芸発程の名地である。かつて文壇の梁山泊と称えられた硯友社、その星座の各員が陣を構え、塞頭高らかに、我楽多文庫の旗を飜した....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
は粘土や大理石や青銅に、神や人間の像を彫刻し、人々はそれらの彫刻を不滅の美として称えていた。しかし彼自身はそれに満足することが出来ず、世には更に美しい何物かが存....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
白粉に扱帯は何というやらん。この人のためならば、このあたりの浜の名も、狭島が浦と称えつびょう、リボンかけたる、笄したる、夏の女の多い中に、海第一と聞えた美女。 ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
そのすべてを語りつくすことはできぬ。ごく大まかに言ったら、人間の世界で天然現象と称えて居るものは、悉く竜神の受持であると思えばよいであろう。すべて竜神には竜神と....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
八分は、その人の働きだったと言う。体量も二十一貫ずッしりとした太腹で、女長兵衛と称えられた。――末娘で可愛いお桂ちゃんに、小遣の出振りが面白い……小買ものや、芝....
凧の話」より 著者:淡島寒月
それからこの「うなり」を、凧よりも長いのを付けると、昔江戸などでは「おいらん」と称えて田舎式としたものである。 凧にも随分大きなものがあって、阿波の撫養町の凧....
良夜」より 著者:饗庭篁村
る気を自ら皷舞して活発に働きしゆえ、大いに一同に愛敬せられ、思いの外の学者なりと称えられたり。 月日の経つは活字を拾うより速かに、器械の廻るより早し。その年の....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
佐保姫の妙なる袖の影であろう。 花の蜃気楼だ、海市である……雲井桜と、その霞を称えて、人待石に、氈を敷き、割籠を開いて、町から、特に見物が出るくらい。 けれ....