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「称呼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

称呼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
もののように、忠直卿の心の中に思われた。彼が、今まで誇りとしていた日本樊※という称呼さえ、なんだか人をばかにしたような、誇張を伴うているようにさえ思われ出した。....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
朽ちた、粗末な木橋が蜿蜒と架っている。そして、土地ではその橋の名を、詩人青秋氏の称呼が始まりで、嘆きの橋と呼んでいるのだ。 その名はいうまでもなく、鵯島には、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いに来たのである。そうだ、焼芋の事を、ここにちなんで(真珠)としよう。 ものは称呼も大事である。辻町糸七が、その時もし、真珠、と云って策を立てたら、弦光も即諾....
雪柳」より 著者:泉鏡花
れもせんぞに、私が十三か四の頃や、洞斎兄さえ、まだ、尾山(金沢を云う。近国近郷の称呼。)の、あんたの家へ寄宿せぬさき、親どもに手を曳かれて、お城下の本願寺、お末....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
別すべく、前者をイノシシ、後者をカノシシと呼んだのであったが、今日ではカノシシの称呼は普通に失われて、イノシシの方のみが各地に保存されている状態である。 案ず....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
ならぬ。しかし古い辞書にククと呼ばれる蝦蟆の種類が見えぬからと云って、かつてその称呼がなかったとは断定し難い。言語には往々死生のあるもので、古い語が全く廃れて忘....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
るが故に、これを日本と称し、我が国でもそれを枕言葉として、「日の本のヤマト」なる称呼が用いられた。かくて推古天皇の使いを隋に遣わし給うに及んで、初めてその義にと....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
き在来の宅神を祭っているがごとき場合があるとしたならば、その神に対するオヒナなる称呼は隣人の呼ぶところにならったものだと解すべきものであろう。 すでにその称呼....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
言われた如く、勿論この宛字は意義をなさぬ。よしや穴住まいをしているものについての称呼だとしても、それをむつかしく「山窩」など書いて、それが俗称になったとは思われ....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
うか。農奴はすなわち後の小作百姓の類である。かくてここに小作百姓に対して、田屋の称呼も起り得る訳である。 仙北でもまた庄内地方と同じく、皮革を扱う旧特殊民をラ....
来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
新後にまで、その中途半端の身分を引き継がれた「来り人」等が、明治四年のエタ非人の称呼廃止の際に於いて、その所属に迷うたという滑稽な事件が阿波にあった。 乍恐奉願....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
わちエタと呼んだとの事が、弘安頃の著と認められる「塵袋」に見えている。しかしこの称呼は実は鎌倉時代になって始まったのではなく、実は平安朝時代からの事であった。「....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
るものが、昔のいわゆるエタとすこぶるその範囲を異にしている為で、これは時代による称呼の適用の変化にほかならぬのである。この事はかつて本誌上で述べたこともあり、い....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
べきことは、いわゆる「賤民」の定義である。言うまでもなく「賤」は「良」に対するの称呼で、もし一般民衆を良賤の二つに分つとすれば、いわゆる良民以外は皆ことごとく賤....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
うべき階級の人々が、往々にして法師だの、坊主だの、聖だのと呼ばれたり、よしやその称呼はなくても、かつては法師姿で描きあらわされておったり、今においてなお地方によ....