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移り
「移り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
移りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
に責めるばかりで、何一つ然るべき処置も取らない内に、残暑はまた朝寒《あささむ》に
移り変って、とうとう所謂《いわゆる》華燭《かしょく》の典を挙げる日も、目前に迫っ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
す。一度などは御二人で、私を御側近く御呼びよせなさりながら、今昔《こんじゃく》の
移り変りを話せと申す御意もございました。確か、その時の事でございましょう。御簾《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にあの大岩を抱《だ》き取ろうとした。
岩はほどなく彼の肩から、猪首の若者の肩へ
移り出した。それはあたかも雲の堰が押し移るがごとく緩漫《かんまん》であった。と同....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
坐っているのが、いけないのだろうと思いましたから、向う側の隅にある空席へわざわざ
移りました。移って、ふと上を見ると、今まで揺られていた吊皮が突然造りつけたように....
「或る女」より 著者:有島武郎
山《はやま》に小さな隠れ家《が》のような家を見つけ出して、二人はむつまじくそこに
移り住む事になった。葉子の恋はしかしながらそろそろと冷え始めるのに二週間以上を要....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いた主権者から最も苛酷な追究を受けた。この忌まわしい風習が一部分古典時代の民族に
移り伝わり、そうして中世の半野蛮人において最も強く現われたのである。 カルデア....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
せたのでありましたが、ドイツ軍配置の重点はシュリーフェン案に比して甚だしく東方に
移り、その右翼はパリにも達せず、敵のパリ方面よりする反撃に遇うともろくも敗れて後....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
しい、お道さん、美しい、姉さん、……お優しい、お美しい姉さんに、貴方はもうお心が
移りましたか。) と云って、若奥様が熟と視ました。 先生が蒼くなって、両手で....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
影と化して了います。現世の話は大概これで宜しいでしょう。早くこちらの世界の物語に
移りたいと思いますが……。 ナニ私が死ぬる前後の事情を物語れと仰っしゃるか……....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
まったくそこにあったのである。 二十二、三歳の頃――明治十三、四年頃――湯島へ
移り、図書館で読書している間に、草双紙を読み、『燕石十種』(六十冊)――これは達....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
も蔽わず、マントルをかけたのは後年である。 ◇ 江戸から東京への
移り変りは全く躍進的で、総てが全く隔世の転換をしている。この向島も全く昔の俤は失....
「初雪」より 著者:秋田滋
ましく啼きたてる。こうして、かれこれ一時間あまりの間、その鴉の群は梢から梢へ飛び
移り、まるで喧嘩でもしているように啼き叫びながら、灰色をした枝と枝との間に、黒い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ったが、これは車屋の二階のささやかな借間であった。一八〇九年にはウエーマウス町に
移り、その翌年にジェームスは死んだ。後家さんのマーガレットは下宿人を置いて暮しを....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た僻地でもっとも盛んになるのだが、アメリカのたいていの町や村を形づくっているのは
移りあるくひとびとなので、その足の下で踏みにじられてしまうのだ。そのうえ、ほとん....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
なり。「世界大戦」と称するは当らず。 第一次欧州大戦後、西洋文明の中心は米国に
移りつつあり。次いで来るべき決戦戦争は日米を中心とするものにして真の世界大戦なる....