移り変る[語句情報] » 移り変る

「移り変る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

移り変るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
名人伝」より 著者:中島敦
に蚕《かいこ》ほどの大きさに見えて来た。虱を吊《つ》るした窓の外の風物は、次第に移り変る。煕々《きき》として照っていた春の陽《ひ》はいつか烈《はげ》しい夏の光に....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
その五 山の温泉 夕立ともつかず、時雨ともつかないような、夏から秋に移り変る時の短い雨が来た。草木にそそぐ音は夕立ほど激しくない。最早|初茸を箱に入....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
士を見て居た武蔵野は、裸から若葉、若葉から青葉、青葉から五彩美しい秋の錦となり、移り変る自然の面影は、其日※の趣を、初めて落着いて田舎に住む彼等の眼の前に巻物の....
旅愁」より 著者:横光利一
子で矢代は訊ねた。 「それもあるんですの。困るの。ほんとに。」 葵の花が薔薇に移り変る切れ目の所で、弁の縮れた模様を検べるような首垂れた千鶴子の細い眉が、花明....
十二支考」より 著者:南方熊楠
まこと》に神に通ずで、人間のみかは畜類について察するも、齢の加わるに随って心情の移り変るかくのごとき例甚だ多し。その移り変るを上進と見んか堕落と言わんかちょっと....
文学と生活」より 著者:宮本百合子
なるほど私小説、心境小説の限界は、はっきりしている。けれども、社会のはげしく移り変る世相そのものをただ追っかけて、漁って、ちょっと珍しい局面を描き出したとし....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
下に恋人達が昼寝していた。私たちはいつもヴェランダの椅子にかけて、朝から晩まで、移り変る陽脚と、それに応じて色を更える海の相とを眺めて暮らした。 日に何艘とな....
ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
出来事を何でもくわしく書いておきます。風習や、言語や、流行や、服装や、娯楽などが移り変るたびに、それらを、一つ/\書きとめておきます。こうしておけば、私はやがて....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ても筆紙に尽されぬ、あの怖ろしい竜姿をお現わしになられます。一つの姿から他の姿に移り変ることの迅さは、到底造り附けの肉体で包まれた、地上の人間の想像の限りではご....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
を見ては喜び、太陽が昇って新しい日が始まるのを見てはそれ以上に嬉しかった。風景の移り変る色や空の現象を教えたりもした。「生きているかいがあるというのは、こういう....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
する向きの箇条が甚だ多い。年季中に暇を取るものは罰金を取るとか、或る親方から他に移り変るものは組合中使用せぬとか除名するとか、これから修業しようという弟子側に取....
案内人風景」より 著者:黒部溯郎
鞋は、ネイルドブーツに、背負梯子は、ルックサックに、羚羊の着皮は、レーンコートに移り変る。 有明口や、白馬口方面には仲々モダン化した案内人を見受ける。彼らは手....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
メフィストフェレス この男はなんの楽にも飽かず、なんの福にも安んぜず、移り変る姿を追うて、挑んで歩いた。 そしてこの気の毒な奴は、 最後の、悪い、空洞....