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稚児
「稚児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稚児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
になったではございませんか。こうなると話にも尾鰭《おひれ》がついて、やれあすこの
稚児《ちご》にも竜が憑《つ》いて歌を詠んだの、やれここの巫女《かんなぎ》にも竜が....
「競馬」より 著者:織田作之助
こう》へ行ったところ、あらくれの抗夫達がこいつ女みてえな肌をしやがってと、半分は
稚児《ちご》苛《いじ》めの気持と、半分は羨望《せんぼう》から無理矢理背中に刺青を....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ものじゃの。」 能の狂言の小舞の謡に、 いたいけしたるものあり。張子の顔や、練
稚児。しゅくしゃ結びに、ささ結び、やましな結びに風車。瓢箪に宿る山雀、胡桃にふけ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
語った人とも覚えず、はっと思うと学生は、既に身を忘れ、名を忘れて、唯九ツばかりの
稚児になった思いであった。 「さあ、お話に紛れて遅く来ましたから、もうお月様が見....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
且つすらすらと玉を乱して、颯と簾に噴溢れる。その手水鉢の周囲に、ただ一人……その
稚児が居たのであった。 が、炎天、人影も絶えた折から、父母の昼寝の夢を抜出した....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
その皓歯で。……潔くあなたに上げます。」 やがて、唇にふくまれた時は、かえって
稚児が乳を吸うような思いがしたが、あとの疼痛は鋭かった。 渠は大夜具を頭から引....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
参らする、乳の滴ぞ、と袂を傾け、差寄せて、差俯き、はらはらと落涙して、 「まあ、
稚児の昔にかえって、乳を求めて、……あれ、目を覚す……」 さらば、さらば、御僧....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
を奏する、その十二人と同じ風俗。 後囃子が、また幕打った高い屋台に、これは男の
稚児ばかり、すり鉦に太鼓を合わせて、同じく揃う十二人と、多一は同じ装束である。 ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ていました。その腹の貢さんじゃ。これがまた女の中で育ったというもので申分の無いお
稚児様に出来ているもの。誰でも可愛がるよ、可愛がりますともさ。はははは、内のお雪....
「牛若と弁慶」より 著者:楠山正雄
と思って、待っていました。そのうち笛の音はだんだん近くなって、色の白い、きれいな
稚児が歩いて来ました。弁慶は、 「なんだ、子供か。」 とがっかりしましたが、そ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
をもうけたが、祐親は平氏に親しんでいたから、幼児を松川の淵へ棄てさせてしまった。
稚児の屍体は海へ流れて、辿りついたのが富戸の断崖の海岸だ。これを甚衛門という者が....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
私は伯母につれられて本堂に上り、特にゆるされて庫裡の方へまわって休息していた。
稚児の行列の出るのを待とうと言うのだ。伯母は小さなキセルを出して煙草を吸うていた....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
もと良家の娘、源兵衛の許嫁。十八歳。 円命阿闍梨 三井寺の長老。 三井寺の法師
稚児大勢。 その他、村の門徒男女大勢。 第一場 (山科街道追分近くの裏....
「山吹」より 著者:泉鏡花
爵夫人、もと料理屋「ゆかり」の娘。 辺栗藤次(六十九)門附の人形使。 ねりものの
稚児。童男、童女二人。よろず屋の亭主。馬士一人。 ほかに村の人々、十四五人。 候....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
まだ、その、一本、二本、三本を算えない時であった。 丘の周囲を、振袖の一行――
稚児髷に、友染の袖、緋の襷して、鉄扇|擬の塗骨の扇子を提げて義経袴を穿いた十四五....