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稜線
「稜線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稜線の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
んらん》の上に、タファ山の頂であろうか、突兀《とっこつ》たる菫色《すみれいろ》の
稜線《りょうせん》が眩しい靄《もや》の中から覗いている。静かだった。甘蔗の葉摺《....
「旅愁」より 著者:横光利一
ることの出来る、便利なエレベーターにも乗っているのだった。歩くにつれ、幾何学的な
稜線が胸を狙って放射して来るように感じられる。街区の均衡の中に闇が降りて来た。昼....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
ころに並べてあった事務机や椅子がひっくりかえり、その中に見覚えのない大きな箱が、
稜線を斜にしてあぶない位置をとっている。 「おや。へんなものがあるぞ」 「あっ、....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ラコさんは、それを見るといっさんに谷底へ駆けおりる。……。 鋒杉《ほこすぎ》の
稜線《りょうせん》のうえに、まっ青な空がひろがり、それを突きさすように高く伸びあ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
。明け放した硝子扉《ケースメント》の向うは、ゆるい起伏のある丘で、はるか遠いその
稜線《りょうせん》のうえに、中世紀の城のような白い家がぽつんとひとつ立っている。....
「澪標」より 著者:外村繁
山の方へ目を遣る。僅かに青空を残している、その寒冷な色の空に、白銀色の山山が鋭い
稜線を描いていた。 漸く、小学校の前まで来ると、荷馬車は停った。義弟が言う。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
だった。 正季が脱したその逃げ道は、上赤坂の三面の谷あいを除く一条の馬ノ背道の
稜線で、そこを南へのぼりつめれば、修道寺から金剛山の頂へ出る。 が、そのあたり....
「正倉院展を観る」より 著者:吉川英治
ったのか。 竹製のハジキ弓にもおなじ感をおぼえた。竹の削ぎ肌になんともいえない
稜線と神経がとおっている。やれ古伊賀のヘラだの光悦茶碗のケズリがどうのといっても....