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種
「種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
がら、満足そうに黙っている。すると、その中で、鼻の高い顔だけが、思いがけなく、一
種の感動を、眼の中に現した。黒い瞳が、熱を持ったように、かがやいて来たのである。....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》が、まだ暮方《くれがた》の光の如く肉の落ちた顔のどこかに、漂《ただよ》っている
種類の人であった。が、同時にまたその顔には、貴族階級には珍らしい、心の底にある苦....
「河童」より 著者:芥川竜之介
うに起こっているのです。実際またゲエルの話によれば、この国では平均一か月に七八百
種の機械が新案され、なんでもずんずん人手を待たずに大量生産が行なわれるそうです。....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
だんだん頭《かしら》を上げて、しまいには、じっと斉広の顔を見つめ出した。こう云う
種類の人間のみが持って居る、一
種の愛嬌《あいきょう》をたたえながら、蛇が物を狙う....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
田独歩《くにきだどっぽ》の使った国粋的《こくすいてき》省略法に従ったのです。)薬
種問屋《やくしゅどいや》の若主人は子供心にも大砲《おおづつ》よりは大きいと思った....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
と共に、笑ってすませる筈のこの事実が、その時の満足しきった彼の心には、ふと不快な
種を蒔《ま》く事になった。これは恐らく、彼の満足が、暗々の裡《うち》に論理と背馳....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
。そこへ向うからながらみ取りが二人《ふたり》、(ながらみと言うのは螺《にし》の一
種である。)魚籃《びく》をぶら下《さ》げて歩いて来た。彼等は二人とも赤褌《あかふ....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
大町先生に最後にお目にかゝったのは、大正十三年の正月に、小杉未醒、神代
種亮、石川寅吉の諸君と品川沖へ鴨猟に往った時である。何でも朝早く本所の一ノ橋の側....
「墓」より 著者:秋田滋
くお聴き取りのほどを願います。 わたくしは、初対面のおりに、彼女を見ますと、一
種異様な感をおぼえたのであります。それは、愕きでもありません、嘆美でもありません....
「初雪」より 著者:秋田滋
帰って来なかった。絶えず猟に出かけていたからである。猟に行かなければ行かないで、
種蒔きやら耕作やら、耕地のさまざまな仕事に追われていた。そして、良人は毎日、嬉し....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
はいろいろの春の草、峰にも尾にも咲きまじる桜、皆な愉快と悲痛と混じたる強き感じの
種となりて胸につかえたる碓氷も過ぎ、中仙道を熊谷まで来たり。明日は馬車にてまっし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
した。しかし今日でも昔のおもかげは残っている。。 王立協会でやっている講義は三
種類で、これはファラデーの時代からずっと引続いて同じである。 クリスマスの九時....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ンドリック・ハドソン船長がこの土地を発見するよりも前に、インディアンの老酋長で、
種族の予言者か妖術師であった男が、ここで祈祷をおこなったのだとも言っている。たし....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
婦のなかには、どうしたことか、子宝がなかった。二人にとっては、それが深いなげきの
種だった。ところが、その子宝もようやく授かった。男の子だったので、ジャンという名....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
とが解るだろう。そこでは民族がすべてなのだ。生きもの、砂漠の中に放浪生活を営む一
種族の生きものとは、そもいかなるものであろうか。彼等は、利口で、殺すことなど何と....