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種を蒔く
「種を蒔く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種を蒔くの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
稲田を荒らすという虫類の話などを私にして聞かせた。「地獄|蒔」と言って、同じ麦の
種を蒔くにも、農夫は地勢に応じたことを考えるという話もした。小諸は東西の風をうけ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
もつければ、懐胎の女でももらう。もと誰の畑であっても、自分のものになればさっさと
種を蒔く。先の蒔き残りのものがあっても、仔細なしに自分のにして了う。
種を蒔くに必....
「小説総論」より 著者:二葉亭四迷
新参の感情といえることなりなんぞと論じ出しては面倒臭く、結句|迷惑《まごつき》の
種を蒔くようなもの。そこで使いなれた智識感情といえる語を用いていわんには、大凡世....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それで夜の暇に本が読みたかったからでございます。しかるに、どうでしょう、五勺の菜
種を蒔くと八升の菜種がとれました、これがあの方の地上から得た最初の収穫でございま....
「源氏物語」より 著者:紫式部
けを、せめて家で気楽に暮らすようにと思いまして帰らせたのですが、それがまた悪評の
種を蒔くことになったらしゅうございます。院も御|機嫌を悪くあそばしたようなお手紙....
「端午節」より 著者:井上紅梅
ものである。 しかし「大差無し」の事実はまたまた発生した。政府はまず人の頭痛の
種を蒔く教員を放ったらかしたが、あとではあっても無くてもいいような役人どもを放っ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ますから、私は別段用事もない。それかといって余りあちこち見に歩くのも疑いを受ける
種を蒔くようなものですから、殊更に司令長官に願いを出して
龍樹ヶ岳の禅定窟
....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
下男奉公するものも出て来る。品性の下劣なものはしばしば世間に向かって嫌悪さるるの
種を蒔く。あたかも現代の我が国民が、海外に雄飛の地を尋ねて、或いは労働に生活の道....