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種子
「種子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
李太白《りたいはく》も、近松門左衛門も滅びるであろう。しかし芸術は民衆の中に必ず
種子を残している。わたしは大正十二年に「たとい玉は砕けても、瓦《かわら》は砕けな....
「或る女」より 著者:有島武郎
《がき》同様に命をかみ合うとはなんというあさましい心だろう。しかもその醜い争いの
種子《たね》をまいたのは葉子自身なのだ。そう思うと葉子は自分の心と肉体とがさなが....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
右衛門は農場に帰るとすぐ逞《たくま》しい一頭の馬と、プラオと、ハーローと、必要な
種子《たね》を買い調えた。彼れは毎日毎日小屋の前に仁王立《におうだち》になって、....
「想片」より 著者:有島武郎
まり重きをおくべき性質のものではないと観じていたとは考えることができない。一つの
種子の生命は土壌と肥料その他唯物的の援助がなければ、一つの植物に成育することがで....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。その力の本源はいつでも内在的である。内発的である。一つの花から採取した月見草の
種子が、同一の土壌に埋められ、同一の環境の下に生い出ても、多様多趣の形態を取って....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
神が現われ出た』というのである。 自然の生物界においては、一見生命のないような
種子あるいは卵から有機生物が出てくる。この事実の観察からして、しばしば宇宙の起源....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の三人で、ともかく日本を統一したのであります。なぜ統一が可能であったかと言えば、
種子島へ鉄砲が来たためです。いくら信長や秀吉が偉くても鉄砲がなくて、槍と弓だけで....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
たくって、それで尋ねたんだと思ったんでしょうよ。」とその連だったもう一人の、明座
種子が意気な姿で、そして膝に手をきちんとして言う。 「私もはじめてです。両側はそ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
たとか。同じ格だが、中には凄いような巧いのがあるという。 唄いながら、草や木の
種子を諸国に撒く。……怪しい鳥のようなものだと、その三味線が、ひとりで鳴くように....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
分でございました。それから荒井城内の十|幾年の武家生活……随分楽しかった思い出の
種子もないではございませぬが、何を申してもその頃は殺伐な空気の漲った戦国時代、北....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
に置かれて居る。そんなのが、死後の世界から人間世界に働きかけて、いつまでも禍乱の
種子を蒔く。 一体霊魂が、無理矢理にその肉体から引き離され、激情と憎念とに充ち....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
ものと見られる。仙台地方に流行するポンポコ槍の尖端に附いている瓢には、元来穀物の
種子が貯えられたのである。これが一転して玩具化したのである。 二 ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
光を一方から他方へ通すこと。」 これらは、後になってファラデーのやった大発見の
種子とも見るべきものである。 後にこの手帳を製本させて、その表紙に書きつけたの....
「瘤」より 著者:犬田卯
田辺は作業服を着て古い帽子をかぶり、下男といっしょに家の裏手の野茶畑で春蒔野菜の
種子や隠元豆、ふだん草、山芋などを蒔きつけ、さらに、トマトや南瓜の苗を仕立てるた....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
よりてこれをみるに、その今日に発達せるところの原形は、すでにそのいまだ発達せざる
種子中に含有すること明らかなり。ゆえに、余は日本の仏教もインドの仏教も同一種なり....