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「種痘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

種痘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
殊に生徒を処罰する権利はおのずから彼等を暴君にした。彼等は彼等の偏見を生徒の心へ種痘する為には如何なる手段をも選ばなかった。現に彼等の或ものは、――達磨《だるま....
道草」より 著者:夏目漱石
出来なかった。 彼は其所《そこ》で疱瘡《ほうそう》をした。大きくなって聞くと、種痘が元で、本疱瘡《ほんほうそう》を誘い出したのだとかいう話であった。彼は暗い櫺....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
種痘の話が出たときに、半七老人はこんなことをいった。 「今じゃあ種痘《しゅとう》....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ワイヤットの像」に似ていると思われたクリヴォフ夫人の顔が、近づいてみると、まるで種痘痕のような醜い雀斑だったからである。 「実は、テレーズの人形を焚き捨てて頂き....
」より 著者:島崎藤村
言った。 大騒ぎに成った。二人の娘は部屋中|躍って歩いた。 「へえ、繁ちゃんも種痘がつきましたに、見て下さい」 と在から奉公に来ていた下女も、そこへ末の子供....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
めたのが、明治五年であった。爾来こゝに、孜々として仁術を続け、貧民の施療、小児の種痘なぞ、其数も夥しいものになった。家も相応に富んだ。五男二女、孫も出来、明治三....
安重根」より 著者:谷譲次
うむ。君は知らないかな。今朝衛生局から廻って来た通知書なんだが、あれに、この辺の種痘は何日から始めるとあったか覚えていないか。 李春華 さあ。私はよく見もしませ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
あるが割愛する。 医学方面の業績もまた甚だしく多い。矢追透武博士(伝研)の皮下種痘法の研究など有名なものの一つだ。新精製痘苗を皮下注射するもので、発熱期間少な....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
して歩行して河に至る事能わざるを以て、冷水灌漑に換うるに雪中に転ぶ。 三月、寛は種痘の為めに諸方に行く。 六月、寛は伏古の地を検し、帰路落馬せり。然るに幸にして....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
者は盲者であり、かかる破滅を恐るる者は痴呆《ちほう》である。革命はジャックリーの種痘である。 革命の恩恵によって社会の情況は変わった。封建的王政的な病はもはや....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
員がかたくちかったことであった。 お医者にたのんで、全員の健康診断をしてから、種痘をしてもらった。船でお医者のかわりをするのは、船長の私だ。そこで、船で必要な....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
応接間。赤くもゆる暖炉。飾鉢の棕櫚竹にふれる椅子の主客とモダンな談話に打興じる。種痘人の椅子をすべりし羽織かな 静廼 スイートピー蔓のばしたる置時計 か....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
が、衛生の届かない昔は殆んど一年中間断なしに流行していた。就中疱瘡は津々浦々まで種痘が行われる今日では到底想像しかねるほど猛列に流行し、大名高家は魯か将軍家の大....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
離れた武陵桃源境であるが為に、ここばかりはかつて天然痘もはいった事がない。近ごろ種痘を強行しようと思うても、どうしても応じないので、ことさらに痘痕面の医師を選ん....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
態に陥ったとき、それを知らせる肉体機構の妙用で、いわば警報器です。 私たちは、種痘や、チブスの血清注射によって一部の肉体の犠牲を、故意に要求し、全肉体の健康の....